43(鸞子視点)
我は夢咲高等学園三年、田間鸞子!
映えある生徒会長なのじゃぁ!
それはさておき、今、我は夢咲モールに来ているのじゃ。それはあるミッションを遂行するためなのじゃが、というか、追加ミッションみたいなものなのじゃが、それより何より、先程まで隣で歩いていたパッツンおとぼけ少女が見当たらないのじゃ。
何を隠そう、紗凪のアンポンタンなのじゃ!
全く、世話の焼ける妹が出来たみたいなのじゃ。
ピンポンパンポーン。と、館内アナウンス。これはアレなのじゃ。カピバラ作品のお決まりのパターンじゃな。
『ただいま、一階、迷子センターにて、迷子の高校生を——』
十中八九、紗凪じゃな。仕方ないのじゃ、迎えに行くかの。
一階迷子センターに到着すると、紗凪が笑顔で我に抱きついて来たのじゃ。心細かったのじゃな。
「会長〜、捜したんだよ? も、もう逸れちゃ駄目だから、ね?」
「迷子はお主じゃアンポンタン!」
「えへへ、こ、ここはいつ来ても迷っちゃうなぁ。会長が一緒で、よ、良かったな」
「さ、さっさとそのダサいふ——」
「あ! ぁ、ああぁーっ!」
「のんじゃらば!? な、なんじゃ突然!?」
「デ、デビレンジャーだぁ! み、見て会長、凄いよデビレンがいる!」
「な、なんじゃその、でべそって!?」
「デビレンジャーだよ! もはや服なんてどうでもいいよね、会長!」
もはやでももやしでもないのじゃ!
手に負えんのじゃ、木下はよくこんな妹と一つ屋根の下で暮らせるな。む、しかし待てよ? 我が木下と結婚したら、紗凪が妹になるのでは?
木下鸞子。むふふ、悪くないのじゃぁ。
「会長行こう! でびシクラメンピンクが待ってるよ!」
デビおしくらまんじゅう?
あー、もう、し、仕方ない奴じゃな全く。
やむを得ないのじゃ。少し付き合ってやるか。
——
——
「格好良かったねー、デビレンジャー!」
「おう、最高じゃったのじゃぁ!」
「……おい、お前ら、買い物は?」
しまったぁぁーーっ!!!! のじゃ!
この後、妹共々叱られたのは、言うまでもないのじゃ……グスン……
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