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体育祭。それは青春を送る身である僕たちにとっては避けては通れないEXステージである。
体育祭も今週末に迫る中、未だに外では前髪も上げられないシャイガールがいた。
何を隠そう、僕の妹だ。
さて、体育祭だけれど、三年生である僕の出番は、全員参加の百メートル走と借り物競走に決まった。金池も同じく借り物競走に参加する。
運動神経抜群の金池は最終競技のリレーの参加も決まっているけれど。頭脳明晰、運動神経抜群、更にイケメンつけ麺ぼくオタメンという、設定盛り過ぎキャラ金池とはコイツのことだ。
さてさて、さておき、夕飯時、競技は何に決まったのかと問いかけると、「お、お、大縄跳び……だよ?」と、たどたどしい態度を見せたのは言うまでもなく紗凪なわけで。
「どうした? 上手く跳べないのか?」
「ち、違うよ? わたしは大丈夫なんだけどね、えっと……」
紗凪は頬をほんのりと染め上げる。
「あ、あかりちゃんのおっぱいがロープに引っかかって回数が伸びないって……男子たちがニヤニヤしながらあかりちゃんを責めるの。女子の中には男子に反論する子もいたんだけどね……で、でもそれを見ても、わ、わたし、何も言えなくて」
明らかな人選ミス!
あかりちゃんを跳び手に選んだやつは確信犯に違いない。引っかかる度に形を変えるマシュマロを堪能しているに違いない。つまり犯人は、そうか、縄を回している輩かぁ! 許すまじ!
それはさておき、——揺れ散らすマシュマロはこの際置いておき、いや、頭から離れないのだけれど、ここは心を無に還し紗凪に向き直る。
「心配しているのなら励ましてやればいい。そりゃぁその場で庇えるといいけれども、しかしあの空気は庇った紗凪までをも巻き込む嫌な空気だから勇気が出ないのはわかる。多分、あかりちゃんだって紗凪にヘイトが集まるのは本望ではないだろうし、だからせめてさ、今メールなりラインなりで励ましてあげればいいよ。何なら、家に来て甘いものを食べるとか。兄ィは大歓迎だぜ?」
「う、うん。兄ィ、ありがと。わかった、あかりちゃんにラインするよ。デレ子ちゃんの縞パン画像付けて送ったら、きっときっと、元気出るよね?」
それで元気が出るのは紗凪と金池と、全国のデレ子ファンだけだ。あかりちゃんには紗凪の縞パンの方が特効薬になりそうではあるけれど、それは伏せておこう。
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