Endsieg
Endsieg
「……これで英国における防衛作戦の説明は以上だ」
「上陸させた六十万人にそのまま防衛させるのですね」
「治安維持はハイドリヒ直属の部隊がやるみたいだからな、そのうえで司令官だけが普段通りの生活を送るなんて申し訳ない。前線の兵士たちが不自由ない生活ができるように整えて欲しい」
「了解いたしました。十二分に対処します」
「ありがたい。だが親衛隊情報部によれば米国の反撃は当分ないとのことだ」
「つまり、ハイドリヒ長官殿の計画は達成されたわけですね」
「おそらくな。最後の攻略戦に参加できてよかった。軍人としては満足な人生だ」
第一次世界大戦から第三次世界大戦までの三つの大戦争を間近で見てきた老兵は満足げに語る。
「十分、いやそれ以上に活躍してくださりました。後任の指名はマイヤー大将で間違いはないでしょうか?」
「それで間違いない。流石にアメリカ侵攻まで生きているかもわからないからな……後は頼んだぞ」
ハウサーはヘロルトの肩を叩きながらそう言う。
「了解いたしました。我が帝国のために尽力してまいります」
「君のサポートは本当に優秀だったよ」
「私も将軍にお仕えできて光栄でした……では、私はこれで」
「次に会う時は
ハウサーがそう呟いた。それにヘロルトは反応して
「ははは、ご冗談を。次合う時も生きたまま会いましょう」
そう言った。そしてその部屋のドアを引き、外へと出て行った。
部屋を出た先の階段を下ると、オーレンドルフが立っていた。
「何とか、生き残りましたね……」
「綱渡りの連続だったな」
「いつ核兵器で首脳部ごと吹き飛ばされるのか心配でしたよ……」
ふう、と大きなため息を吐きながら彼はそう言う。
「ハイドリヒ長官殿が賭けに勝ったってことだ。生き残ったことを喜ぼう」
「私はこの最終戦争が一段落したら親衛隊を退職しようと思っております。さすがにハイドリヒ総統閣下も今回は許可してくれるでしょう」
「……私からも伝えておくよ。今までよく頑張ったな」
「ありがとうございます!退職後は占領地の経済支援政策でも始めようと思うのですが、ヘロルト司令官は戦後は何を?」
「……戦後か、私も旧時代の人間だからそんなこと考えた
「そうですか……そうだ、戦友会も戦後開ければなと思っているので、良かったら」
「ありがとう。じゃあ私はこの後放送局に用事があるから……また話そう」
「それでは、お元気で」
「君も達者でな」
ヘロルトは少し緩んだ気持ちの緒を締め、ハイドリヒが待っているであろう放送局へと向かった。
「時間どおりですね。いい人だ」
放送局のドアを開けるとハイドリヒが記載の前にある椅子に座りヘロルトを待っていた。
「計画の"最後"ですから」
「しかし、本当に良いのですか?私としては同感してくださり嬉しい限りなのですが。なんせ“大役”ですので心理的負担になることでしょう。もともと私がやる予定でしたのでご無理に実行なさらなくても良いですよ」
「……いえ、大ドイツの終着点ですから。私には再編作戦の最終段階、核兵器発射命令を行う義務があると思っております」
「そうですか。了解いたしました。そちらの放送器具で命令が可能です。一緒に新しい世界を見届けましょう」
ハイドリヒは少々の笑みを浮かべて彼に言った。その笑みは普段の狂気にむしばまれたような邪悪な笑顔ではない、彼本来の笑みであった。
「“新しいドイツ”が楽しみです、それでは」
ヘロルトが放送機材のスイッチを入れ、口を開く。
「こちらヘロルト親衛隊作戦本部長だ。各発射基地に以下の命令を出す。再編作戦の最終フェーズ『
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