Zweite Operation Seelöwe

「よし、全員揃ったな。ではこれより作戦会議を開始する」

 ヘロルトは最後の作戦計画を練るべく将校たちを招集し作戦会議を行っていた。

「まず、君たちも聞いたこと思うが先日ソ連が降伏した。ジューコフやコーネフと言った赤軍軍部は全て処刑し最後の町ペルミには火を付けた。東方生存圏の回復と共産主義の根絶やしに成功した。すでにソ連領内には騎士団国ヅィベリエンやモスコヴィーエンなどのドイツ統治機構が設置され、更には同じくソ連と戦闘していたロシア共和国とは不可侵条約を締結した。ロシア共和国は完全に大ドイツを支持しており、"新秩序"に参加する外交も進んでいる。つまりは開戦してから二年で東方に存在した脅威を完全に排除したのだ! これは優秀なる諸君の功績に他ならない。よくやった。背後の脅威を排除した我々が次の攻略するのは西方だ。欧州大陸に存在したトロント協定のスペインとコミンテルンのフランスはすでに轢き殺したが海の向こうにはまだイギリスとノルウェーが残っている。ハイドリヒ総統はこの二か国の破壊を命じられた。我々の手で資本主義者キャピタリストを欧州から追い出すのだ!」

 彼は開幕に長々と演説をすると、集まった将校からは割れんばかりの拍手が起こった。そして着席したヘロルトはオーレンドルフに「現在の我々の航空戦力と海軍戦力を教えてくれ」と言った。

「了解いたしました」

 そう言ったオーレンドルフは立ち上がって説明を始める。

「欧州大陸を完全に制圧した我々は、工業力は既に米国に肩を並べ、資源問題も解決しました。まず海軍戦力です。親衛隊には海軍部が存在していなかったため再建には手間取りましたが、原子力潜水艦が40隻用意できました。この潜水艦群は現在、大西洋で敵輸送船艦に奮闘しています。また、ある程度の水上艦攻撃能力を持つため、最低限の海上封鎖は可能です。しかし、やはり潜水艦での封鎖は困難を極めるため航空戦力による制圧が本命となります」

「航空機の保有数は?」

「我が国初の本格的なジェット戦闘機であるMe262の改良版が2000機、世界初のステルス戦闘機であるホルテン224が1000機用意できました。また別途で爆撃型のホルテンも600機用意しております」

「研究が難航していたあの戦闘機か。ミサイルとロケット技術を我がドイツが独占している現状、米英はロケット迎撃機の派生しか持たないが、我々はステルス戦闘機と爆撃機の配備が完了している。英国のレーダー網はもはや紙くず同然であり、我々が航空戦で優位に立てるだろう」

 ヘロルトの言葉にオーレンドルフは頷いてから

「上陸戦力としては六十万の歩兵師団、二十万のマイヤー機甲師団が待機しております」

「よし、ありがとう。では、今から最後の戦争における軍事行動の説明をしよう」

 オーレンドルフが着席したのを確認してからヘロルトは机上の地図を指差しながら話し始める。

「まずはデンマーク海峡における海上封鎖はすでに終了しているため、ノルウェーを手始めに五十万の歩兵で破壊し尽くす。問題であるのはブリテン島の攻略ではあるが、イギリスの制空権を完全奪取することを目的とする。先の大戦ではロンドンを爆撃するのも一苦労でったが、時代は変わったのだ。長距離ジェット爆撃機の開発によって今では数時間足らずで爆撃後帰還することが可能だ。つまりはジェット爆撃機による常時爆撃が可能なのだ。攻撃目標は英国全土の海軍基地。ステルス爆撃機の優位性を活かし港に駐屯する英国海軍にも容赦なく攻撃を加えろ。爆撃が常時化することでもはや英国海軍は本土に配属することは不可能となりそのまま制海権を我が手中に収めることができるのだ。英国海軍の撤退を確認したのちすぐに上陸部隊を襲撃させる。英国南部を挟み込むように攻撃せよ。といっても、無理な攻撃を敢行する必要はない。マイヤー装甲軍団の橋頭保を確保できれば彼がイギリスを轢き殺してくれるだろう。作戦は以上だ。この作戦が欧州における最後の大掛かりな作戦だ気を引き締めて臨め! 資本主義者とユダヤ人に容赦するな! これは人類再編の第一歩! 亡くなられた総統閣下も見ておられる! 諸君の健闘を祈る! ヒトラー万歳ハイル・ヒトラー!」

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