第31話 4章:パパ活ですか? いいえ、援交です。(4)
オレは夕方に放送していたアニメのビデオ録画を見ながら、体内魔力回路の最適化作業をしていた。
流れている映像が懐かしすぎる……。
この頃はまだ、深夜アニメなんて概念はなかったんだよな。
当時何度も見たラノベのアニメ化作品だが、ついついまた見てしまう。
それにしても、ものすごい原作レイプである。
当時はこれがわりと普通だったなあ。
アニメから入った作品の原作を読んだ時、よく驚いたもんだ。
それにしても、画質が荒い。
地デジってすごいんだな。
今からほんの二十年で、今見ている14型のテレビより大きなモニターを気軽に使い、個人がPCで作業をするようになるなんてな。
Vtuberが自宅から配信なんてしている世界になるのだ。
技術の進化ってのはすごいもんだ。
はっ……!
オレは気付いてしまったぞ。
Vtuberが流行る前からオレもVの者としてデビューしておけば、推しとからむ機会があるかもしれない。
いいぞ、希望が湧いてきた。
だが推しが男と絡むところなんてみたくないな。
その中身がオレ自身だとしてもだ!
バ美肉か……バ美肉しかないのか……。
そんなくだらないことを考えているうちに、魔力回路の最適化がいったん完了した。
いったんというのは、肉体の強化に合わせて魔力回路も最適化しなおす必要があるからだ。
さて――
オレはソナーのように薄い魔力を街へと飛ばした。
特定の波長を持った魔力を見つけると、反応が返ってくる仕組みだ。
あまり強い魔力を飛ばすと、もし感知能力を持つヴァリアントがいた場合、逆にこちらの存在がバレてしまう。
そのため、なんでもかんでもこの方法で探知するわけにはいかない。
とりあえず、オレや由依の家の付近に、ダークヴァルキリーがいないかを確かめる程度だ。
二度見たダークヴァルキリーは、素体となった人間は別なはずなのに、非常に似通った魔力を持っていた。
彼女達はザコだが、人間にとっては脅威だ。
そして、今の由依には良い修行相手とも言える。
実戦に勝る修行はないからだ。
由依のことは護ってみせる。
だが、オレがどれほど強くても、本当にちょっとしたことで人間は死んでしまうということを、イヤと言うほど味わってきた。
由依自身も強くなってくれれば、少しでも生き残る確率は上がるだろう。
というわけで、近くに奴らがいないならばそれで良し。
もしいるなら、由依と一緒に向かえば良い。
一体みつけた!
繁華街の近くだ。
オレはごついピッチを手に取った。
もちろん連絡先は由依だ。
その前に正確な位置を、オレの探知と地図アプリを照合して……って、アプリなんか入ってねえわこのピッチ!
紙の地図ってどうやって見るんだったかな……。
あっちの世界ではざっくりした地図しかなかったし、それで事足りたからなあ。
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