幻65
バブみ道日丿宮組
お題:小説の中の幻想 制限時間:15分
幻65
物語とは妄想だからこそ夢がある。
現実はどれもくそだから夢がない。
どちらも人によっては同じこと。
そう幻想は見えてこない闇に近い。
だから、私は妄想の世界へと旅に出る。止めてくれるような人はもういない。いなくなるまで待ったんだ。今更止められても困る。
そう……所詮人は欲望に忠実だ。やめてくれと言われたら欲望によってはより酷いことをしてしまう生き物だ。
じゃぁ僕は、私はなにをしたか。
いなくなるためにできることはわりと少ない。
けれど、できないことじゃない。
なんでできないなんてことを言うのかわたしにはわからない。
障害を排除すればできるならそうしてしまえばいい。なぜ人は、人を守るようなルールを作ったのか。自分たちが一番障害として存在してはいけない事柄を持つのに。本来保護される者たちが保護されない現実に誰も見向きもしない。
これが事実。
あったことを小説にしてみると、ひどいサスペンス。
けれど、知らない人には凄く評価が高い。何かの賞をとり、話題にもなり、映像化にもなった。ぼくはそれでも人前にはでなかったし、インタビューを受けもしなかった。
おれという自分を知る人が増えたならそれはまた小説のネタになってしまう。編集者がそういう意味でボクの中を知ってる人でよかった。
幻想でも、妄想でも、虚言でも、あの人にとって売れるものであればなんでもいいみたい。
身内が悲しむ中、無表情だった2人はほどなくして出会う。それはまるで小説の世界のよう。もっとも何が起こったかを理解してはいないようだ。
彼女もまた現実を認識していない虚ろな存在。夢をみず、金を追う咎人。キラーだった。
私にとって問題があったとすれば、世界はとても眩しくてついていけない偽りの世界ということだ。空想の世界にしか僕は居場所がない。
ならば、幻想を現実にするしかない。
幻想をはじめたわたしは、ぼくとなって、おれとして世界を歩み始めた。
幻65 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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