第六十話 闇の洞窟

 闇の洞窟にバイクで到着した俺達。

 かなりラファ以外へとへとになっていた。


 「お、お前運転荒すぎ」

 「そうか? 普通だぞ」

 「お前の普通は普通じゃない」

 「他に運転できる者は?」

 「いません」

 「では仕方が無いだろ」


 くそ何も反論できねえ。

 論破されたぞ。

 しかしまあ闇の洞窟へ早く着いたしいいか。


 「じゃあ闇の洞窟へ行くか」

 

 俺の言葉に皆強く頷いた。


 闇の洞窟――そこは光が殆ど差さない洞窟だと言われており、最奥地にはダークドラゴンが住み着いている。

 また多種多様なモンスターも生息する為殆どの冒険者は近づかない。

 しかし最奥地には何かがあるらしい。


 「早速ゴブリンだな」

 「私が戦います」


 アイリスが魔剣アーレードで攻撃する。

 ゴブリンは一瞬で消滅した。


 「その剣も強いな」

 「ああ。これエターナルで手に入れた剣なんだ。前まで俺が愛用していたんだが、聖剣エリデリートを手に入れたからアイリスにあげたんだ」

 「そうか。武器効果は何だ?」

 「遠距離から漆黒の斬撃を飛ばせる」

 「ほう。それは強いし戦い方が変化するな」

 

 確かにニーナの言う通り遠距離攻撃は魅力的なんだよな。

 だけど俺は遠距離攻撃を捨ててでも聖剣エリデリートを使用する事を決めた。

 その理由はやはり素の攻撃力と武器効果にある。

 50%吸収はやっぱりでかい。


 「うん? あれは何だ?」

 「私見てくるね」

 「お、おい危ないぞネフィー」

 「大丈夫大丈夫」


 ネフィーがビューンと空を飛んで何かの物体に近づく。

 僅かな光しか当たらないため何かがある事しか分からない。


 「これ宝箱だよ」

 「宝箱!?」

 「うん。開けられてるけど」

 「そうか。開けられてるのか」


 という事はここまでは他の冒険者も辿り着いてるのか。

 くそ先を越されたか。


 「何か音がするぞ」

 「ああ俺にも聞こえた」


 突如奥からグワアアアアアアアアアアアアアアアッ!

 と言った咆哮が聞こえた。


 「行ってみるか」

 「ああ」


 俺達は咆哮がする奥へと向かった。

 するとそこにいたのは四足歩行の巨大なモンスターだった。


 「何だあれは!?」

 「あれはガガルガ。この地方に伝わる珍しい凶暴なモンスターだ」

 「ちいっ倒すか。ラファ鑑定頼む」


 ラファが大きく頷き鑑定し始める。


 「HP12000。攻撃力10000。防御力1000、俊敏4000だ」

 

 攻撃力特化型か。

 HPも高い。が防御力は低いな。

 俊敏はそこそこか。


 グウオオオオオオオオオオオオオオオオッ!


 相手のガガルガが金色の拳を振り上げてくる。

 ここは狭い回避は無理だ。

 盾しかない。


 「俺の背後に集まれ皆!」

 「は、はい」

 「うむ」

 「ああ」

 「うん」


 俺はガガルガの攻撃を竜の盾アーグメントで防ぐ。

 相手の攻撃を2回まで弾き返すことが可能だ。

 俺は相手の拳の攻撃を弾き返す。

 相手はそれを狭くて回避できない。


 「どうだ。狭い場所では俊敏さは無力だ」

 「やったー」


 ガガルガを俺達は討伐した。

 そしてガガルガの毛皮、内臓をドロップした。


 「ニーナこれ武器に使えるか?」

 「後で確認する」

 「ありがとうな」


 竜の盾アーグメントは一度の戦闘で2回しか攻撃を弾き返すと事は出来ない。

 この狭い場所だと必須だな。

 さてダークドラゴン相手にどう戦うか。

 俺達は更に奥へと進んでいく。


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