第四十話 ラールとの対峙

 俺達はブラックスライム討伐を終えてハンターランクが現在以下である。


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 ハンター名 レイン

 ハンターランク600

 パーティーランク30

 パーティー名【アルス・マグナ】

 パーティーメンバー レイン アイリス ラファ

 ハンター番号000000000000000

 討伐モンスター、ゴブリン、ブラックオーガ、ミニレッドドラゴン、ブルーエンドドラゴン、グリーンスライム、ポイズンオーガ、グレムリン、ブラックスライム、髑髏剣士

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 よしハンターランク600になったな。

 もうこの国に用はない。次の国へ向かうか。


 「次は何処へ向かいますか?」

 「そうだな。特に決めてはいないんだよな」

 「ここから一番近い国だと」


 アイリスはそう言って宿泊している宿屋の部屋の床に地図を広げた。

 これが現在の世界地図である。

 色々な国がある。


 「東に行くとアルデリア国がありますがどうしますか?」

 「あのリッデルド・アルデリアが建国した国か。ハンターランクどれくらいまで上げられるんだ?」

 

 俺の質問に本を読みながら寝転がっているラファが答えた。

 

 「400だ。ハンターランク上げの為なら行く意味はない」

 「そうか詳しいな」

 「本で読んだ」

 「読書は正義だな」


 さてどうするか。

 アルデリア国以外にするなら……。


 「スリベルグ国ならハンターランク1000まで上げられるぞ。しかも謎が多い国だ」

 「謎?」

 「スリベルグ国の中にある地下ダンジョンが未攻略だ。色々な魔導士が挑戦しているが返り討ちに会っている」

 「面白そうだな。行ってみるか」

 「そう言うと思っていたのだ。よし早速食事を取ったら行くぞ」


 俺達の次の目的地が決まった。

 スリベルグ国である。

 スリベルグ国――そこはフレンディア国の面積の三分の一もない国である。しかし未攻略の地下ダンジョンが存在する。王族たちも誰かに攻略してほしくて色々な魔導士に依頼しているようだ。しかし未だに攻略には至っていない。


 「楽しみですね」

 「ああ。絶対攻略して見せる」

 

 俺達は食堂で肉料理などを頼んで食べていると、周囲がざわつき出した。


 「何だ?」

 「さあな」


 俺は気になり周囲を確認する。

 するとそこには驚くべき人物がいた。


 「あ、兄貴!?」

 「ラール!?」

 「どうしてここに!? それより生きていたのか!?」

 「ああお陰様でな」


 俺の弟のラール。正確には義弟だが俺にはいい思い出はない。

 幼少期から俺を虐め楽しんでいた屑だ。

 

 「知ってるか僕が【魔剣聖】というレア中のレアスキルを授かったことを」

 「ああそう言えばそうだったな」

 「逆に兄貴は外れスキル【経験値0】。あれ? パーティーを組んでるのか?」


 ラールが下卑た笑みでわざとらしく言う。

 後ろの少女が首を傾げている。

 

 「ああパーティーを結成している。お陰様でな」

 「はははっ! 可愛そうに。君達無能兄貴のせいで経験値入らずレベルが上がらないだろう。そんなパーティー離脱した方がいい」

 

 ラールが天高く笑う。

 それを見たアイリスがどや顔で言う。


 「いえ経験値入ってますよ。無知は恥で罪ですね」

 「何だと!? 嘘を付くな小娘」

 「いえ本当です。因みに私のレベルは350ですよ」

 「な!? 350だと!? はははっ、相手のステータス値が見えないからって嘘を付くなよ小娘が」

 「いえ本当ですよ。レインが私達を強くしてくれましたから」


 アイリスの言葉は真実なのだが、ラールは一向に認めようとしない。

 そしてラールの背後にいる少女が口にする。


 「あのー貴方がレイン様ですか?」

 「そうだが君は?」

 「申し遅れました。私はアルフォード国の貴族の娘ユリア・ディーテッドと申します。ラール様の婚約者です」

 「そうかラールの」

 「それで固有スキルが【経験値0】って本当ですか?」

 

 ユリアは信じられなさそうな顔で聞いてくる。


 「本当だ。俺は一切の経験値は入らない」

 「ほら見た事か。これが真実なんだ」


 ラールは俺を馬鹿にする。

 それを聞いたアイリスが怒る。


 「じゃあ勝負しましょう。私と貴方で」

 「は!? 何で僕が君みたいな嘘つきと。まあどうしてもと言うなら条件次第で戦ってあげるよ」

 「条件ですか?」

 「ああ。兄貴と僕が戦う。そして僕が勝てば君達は兄貴のパーティーから離脱して貰う。今後は僕の奴隷だ」


 ラールは見下した態度と下卑た笑みでそう言った。

 

 「いいよな兄貴?」

 「いいぞ。但し負けたら二度と仲間に関わるな」

 「ああ。勿論だ。まあ僕が負ける筈ないけどね」

 

 俺はこの日ラールと対峙した。

 そしてラールと戦う事となった。


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