第三十六話 ブラックスライム討伐

 俺達はブラックスライムが目撃されたある遺跡へとやって来ていた。


 「かなり古い遺跡だな」

 「ですね。数百年は前でしょうか?」

 「この中にいるのか?」


 アルデリア遺跡。

 アルデリア国家を建設した初代アルデリア国王、通称リッデルド・アルデリアによって生み出されたとされる遺跡。彼の死体が眠っているという噂もある遺跡だ。


 「あれは!?」


 俺達はブラックスライムを発見する。

 そして不可思議な現象を目撃した。


 「門番みたいだな。ワクワクするぞ」

 「モンスターが門番なんて、それもスライムが。どうしてですかね」

 「興味は尽きないな」


 ラファが楽しそうな表情をしている。

 相変わらず好奇心が凄いな。


 「ラファ鑑定できるか?」

 「やってみよう」


 ラファがブラックスライムを鑑定する。

 

 「鑑定可能であったぞ」

 「HP、攻撃力、防御力を知りたい」

 「HPは2000。攻撃力は500。防御力は1000だ」


 スライムにしては強すぎる。

 だが勝てない相手ではない。


 「一つ忠告しておかねばならない」

 「何だ?」

 「それは相手の命中率を30%さげる能力を持っている」

 「能力持ちのモンスターか」

 「そうだ。結構珍しいぞ」


 モンスターの中にも能力、所謂スキル持ちはいるが、レア度は高い。

 今回のブラックスライムはどうやらレアモンスターらしい。


 「安心しろ。俺の命中率は無限だ」

 「安心だな」

 

 俺はバグ化のお陰で命中率が∞になっている。

 つまりブラックスライムの効果を受けることはないのだ。

 無限を30%下げることは出来ない。


 「はああああああああああああああっ!」


 俺は魔剣アーレードの漆黒の斬撃でブラックスライムを攻撃する。

 相手は素早く逃げ回るが、俺の命中率無限によって攻撃を喰らう。


 「これでHP1000だな」

 「もう一撃ですね」


 俺はもう一撃ブラックスライムに与える。

 そして討伐に成功する。


 「案外あっさりだったな」


 ドロップしたアイテムはブラックスライムの涙であった。

 何かに使えるといいんだが。


 「それはエターナルからやって来たモンスターです」

 「うわあっ!」

 「すみません。驚かしてしまって。だいぶ強くなったようですね」

 

 俺の背後から急に声を掛けてくる女神。

 相変わらず出没自在だな。


 「驚かすな」

 「すみません。仲間も出来たんですね。良かったです」

 「ああ。それよりエターナルからやって来たって、どういう事だよ。ブルーエンドドラゴンといいやって来すぎだろ」

 「エターナルの入り口とこちらの世界の入り口は常に繋がっているんです。ですから流れ出てくるのは自然かと」

 

 誰か鍵を掛けろ。

 俺はそう内心突っ込んだ。


 「エターナル攻略をなるべく早くお願いします」

 「分かってる。だがバグの条件の特定は難しいんだ」

 「頑張ってください。あ、それと巨竜の件はお見事です」

 「大変だったぞ。死ぬかと思った」

 「バグ化したようで何より」


 随分他人事のように言うな。

 まあエターナル攻略は俺の目標でもあるからいいけど。


 「エターナルの先には何があるんだ?」


 ラファが興味津々の顔で聞いてくる。


 「分かりません。現状誰も攻略した事がないので」

 「そうか。それは未知の領域だな。楽しみすぎるのだ」

 「では私はこれで。宜しくお願いしますレイン」

 

 そう言い残し女神は姿を忽然と消す。

 全く驚かせやがって。


 「取り敢えずこのまま遺跡に行くか」

 「そうですね。何か他にもあるかもしれませんし。エターナルの手掛かりとか」

 

 俺達はブラックスライムを討伐した後、アルデリア遺跡に足を踏み入れた。



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