第三十二話 強すぎる盾

 結局オルカに熱く語ってしまった事で一睡もできなかった。


 「ふぁああ眠い」

 「バグ化の条件が変更されました」


 ああそうか。また条件が変更されるのか。

 また特定し直さないといけないな。

 頑張ろう。


 「昨日はありがとうございました。それも朝まで」

 「いやいいってお互い楽しかっただろ」

 「はい。是非またご一緒に」


 俺とオルカがグレートホール(食堂)で会話をしている。

 アイリスが俺をジーっとジト目で見つめてくる。


 「どうしたアイリス?」

 「昨晩はお楽しみだったようですね」

 「ああ。凄く楽しかったぞ」

 「エッチですね」

 「何言ってるんだ? 俺の冒険の記憶を語っただけだぞ」

 「なっ――!?」


 何か一人で怒り、一人で勘違いして赤面しているアイリス。

 それを見ていたラファははあーっと大きくため息をついていた。


 「もう行くようだな」

 「ああ。まだこの国に滞在する予定だが、宿屋に泊まる事にする」

 「そうか。別に遠慮はいらんのだぞ」

 「冒険者なら冒険者らしく活動しようかと」

 「そうか。ではこの盾をやらねばな」


 そう言って頑丈な透明のケースに入った盾を台車で丁寧に運ぶ使用人たち。

 

 「これは?」

 「竜の盾アーグメントだ。我がフレンディア家に代々伝わる防具である」

 「こんな大層な物を貰っていいのか?」

 「お主たちはこの国の救世主だ。構わん。是非貰ってくれ」


 そう言ってフレンディア国王は俺に竜の盾アーグメントを授ける。

 赤色に光り輝くその盾は俺を魅了した。

 俺は早速魔盾ガーディンを外して竜の盾アーグメントを装備する。


 防具【竜の盾アーグメント】

 防具効果:相手の攻撃を2度弾き返す。(相手の攻撃力が高い場合でも可能)

 防御力2500


 おお強い。

 前の防具魔盾ガーディン装備時の防御力は1000だった。

 今回は1800だ。

 魔防の指輪で700アップしているからこの数値である。


 「ありがとうございます。かなり強化されました」

 「これからも素晴らしい活躍を祈っている」

 「はい」


 俺達は王城を出る。

 オルカは少しだけ寂しそうにしていた。

 また会えるといいな。


 「鑑定したがその盾かなり強力だな」

 「ああ。しかも防具効果で攻撃を2度弾き返せる」

 「前の防具はどうするんだ」

 

 考えてなかった。

 売るのは意味がない。何故なら俺はお金を無限に持っているからだ。

 譲るか。


 「アイリスかラファいるか?」

 「貰えるなら欲しいですが、いいんですか?」

 「いいよ遠慮するな仲間なんだから。それに俺には竜の盾アーグメントがあるしな」

 「ではラファどうしますか?」


 アイリスとラファが話し合う。

 

 「今回は譲ってやるアイリス。私は銀の鎧でいい」

 「ではお言葉に甘えて」


 こうしてアイリスが魔盾ガーディンを装備する事となった。

 銀の盾は防具屋で売った。

 お金は要らないが純粋に邪魔だった。


 現在レイン、アイリス、ラファの簡易ステータス。


 レイン、レベル1。HP1100。攻撃力2000。防御力2500。

 アイリスレベル230。HP2500。攻撃力1000。防御力2000。

 ラファレベル210。HP2000。攻撃力800。防御力900。


 うーんやっぱり経験値ってこの世界では正義だよな。

 レベルが上がるとステータス値も上昇するからな。まあ上昇具合は個人差があるが。

 バグ化なければ俺はこの世界では生きていけないな。

 いつか全部バグ化させるぞ。


※作者からの読者様へのお願い

 

 もし少しでも面白いと思っていただけるなら、どうか星とフォローを宜しくお願いします。☆☆☆を★★★にしてくれると嬉しいです。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る