第三十三話 グランアード、驚愕する
エイレンside
エイレン達は現在ムーラン国でハンターランクを上げていたのと同時に経験値稼ぎも行っていた。
「よしこれでハンターランク80だな。あと少しで100だ」
「おう。かなり調子いいな。もう敵なしって感じだぜ」
「油断はするな。俺達はまだまだだ」
エイレンは表面上はそう取り繕っている。
しかし内心油断していた。
何せ昔から天才だと神童だと言われ育ってきたからだ。
(この調子なら世界最強になれるのも時間の問題だな)
エイレンの現在のレベルは120。
ムーラン国の中では最強だが、実は見下しているレインの仲間のアイリスやラファより遥かに低い。
だがそんな事実は知らない。
「おい何だか騒がしいな」
ディンガがそう呟く。
冒険者ギルドの中が騒がしい。
(何だ? 何か事件か?)
エイレン達は近くの男に事情を聞く。
「何かあったのか?」
「ああグランアード達か。少し遠くの巨大国家フレンディア国に巨竜が襲来したらしい」
「何だと!?」
エイレンは驚いた。
(糞、俺達が狩りたかった)
エイレンはブルーエンドドラゴンの強さを知らないためそう内心呟いた。
「でよ。その巨竜討伐したの誰だと思う?」
「誰だ?」
「レインって奴だとよ。何か滅茶苦茶強いガキみたいだ」
「何だと!?」
エイレン達は驚きの余り口を半開きにして固まった。
そしてディンガが十秒ほど固まった後口を開く。
「おいエイレン。レインってあのレインか!?」
「違うだろ。あんな無能が巨竜を狩れる筈がない。同名だろ」
「そ、そうだよな。あんな無能じゃあり得ないよな」
「当然だろ。経験値0だぞ。どうやって勝つんだよ」
エイレンはそう思い心を安定させる。
(違う、あいつなんかじゃない。追放したのは正しかったんだ)
エイレンは焦る心を落ち着かせ深呼吸する。
「早くハンターランク100にしてフレンディアへ行くぞ」
「ああ」
(一応確認するか)
ルートside
ルートは一連の話を冒険者ギルドで聞いた。
そしてレインが生きていると確信した。
(やっぱり何か強くなるカラクリがあるんですね)
ルートは益々レインに興味が湧いた。
「カルラさん。レインさん生きてるかもしれませんね」
「そ、そんな筈ないわ。だって経験値0だもの」
カルラはバツが悪そうにそう言う。
今更ながら追放した罪悪感でも感じているのだろうかとルートは思った。
「フレンディアに行けば分かりますね」
「え、ええ。そ、そうね」
カルラは挙動不審になっていた。
ルートはこのパーティーに未来はないと思い始めた。
(レインさんに早く会いたいです)
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