第十六話 ムーラン剣術大会
アイリスとパーティーを結成した俺は現在ムーラン国の冒険者ギルドでパーティー結成の手続きを行っていた。
「パーティー名はアルス・マグナで宜しいですね」
「ああ」
俺達はパーティー名を道中考えて決めて、そしてアルス・マグナにした。
この世界で大いなる秘宝という意味を持つ。まさにバグ化にピッタリだ。
バグこそが俺の秘宝だ。
「いてっ」
「邪魔だどけえ」
図体のでかい2メートル近い大男が巨大な鉄の剣を持って、俺にぶつかって来た。
そして何処かへ急いでいく。
「おい、知ってるか? 剣術大会にハリバーが出場するらしいぞ」
「おいマジかよ。もう優勝はハリバーで間違いねえな」
「今回の優勝賞品ドラゴンの牙らしいぞ。しかもダークドラゴンの」
「おいマジかよ。超激レアじゃん」
周囲がハリバーを見てざわついている。
どうやらここムーラン国で剣術大会が行われるようだ。
そして優勝賞品はなんとダークドラゴンの牙らしい。
これは参加して優勝するしかないな。
ダークドラゴンの牙は武器生成に役立つかもしれない。
「アイリス参加したいんだがいいか?」
「分かりました。でも大丈夫ですか?」
「多分負けない」
「分かりました。レインを信じます」
こうして俺はムーラン剣術大会に参加する事に決めた。
そして数時間後――
「よくぞこのムーランの地に足を踏み入れてくれた。勇敢なる魔導士達よ。今宵は剣術の腕前を我が瞳に、そして観客に焼き付けさせてくれ」
ムーラン国王が拳を上げて熱弁する。
見た目は30代前半といったところだろうか。結構若々しくダンディーな男性だ。
「最善を尽くせ、死力を尽くせ、勝利を渇望しろ」
国王の熱の入った一言が国民を奮い立たせる。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」
「見せてくれ。魔導士共よ」
「ハリバーを倒してくれ」
国民たちが観客席から大声で剣術大会の参加者に言葉を投げかける。
現在俺達はコロシアムに居る。謂わば闘技場だ。
そこで全参加者64名によるバトルロワイアルが行われる。
1対1ではないのだ。
「そして今回の優勝賞品はダークドラゴンの牙、そして100万ガルド。だがそれだけではない」
その言葉に俺を含む全員が驚きを隠せない。
「今回はサプライズ商品が存在する。それは魔除けの指輪だ」
そのワードに全員がざわつく。
「おい魔除けの指輪って言ったぞ今」
「おいあの伝説の指輪かよ」
「超絶激レアだぞ」
魔除けの指輪それは相手の攻撃力を300ダウンさせる指輪だ。
例えば俺の現在の攻撃力は1200。もし仮に1500の相手がいた場合通常攻撃力では勝ち目がない。
しかしこの魔除けの指輪を装備していれば互角に持ち込める。
まさにチート級のアイテムである。
「悪いが俺が頂く」
ハリバーと言う巨体の大男が高らかと勝利宣言した。
悪いが俺も負けられない。
勝つぞ。
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