第十三話 ブラックオーガ討伐

 俺は現在ガーレーン国最高難易度クエスト、ブラックオーガ討伐に向けてブラックオーガが住み着いているという隣接された森へ向かっている。

 最近ブラックオーガによる国民や商人への被害が出ている。

 ガーレーン国の多くの魔導士も討伐に向かったが返り討ちにあっている。


 「そういやバグ化の条件探さないとな」


 【エターナル】攻略を目指すうえでステータス値を無限にするのは必須だ。

 そして無限にするにはバグ化しか手が存在しない。

 つまりバグ化が必須である。


 「色々試してみるか」


 そう呟きながら俺はガーレーン国に隣接された森を登る。

 道中ゴブリンがいたので討伐してみることにした。


 「はああああああああああああっ」


 俺は魔剣アーレードで漆黒の斬撃を飛ばしてみた。

 するとゴブリンは真っ二つに切り裂かれて、存在が消滅する。

 

 「これ強すぎだろ」


 俺は魔剣アーレードの武器効果に驚く。

 そして改めてこの武器が強い事を確信する。


 「今ので通常なら経験値が手に入り、レベルが上がっていくんだろうな」


 だが俺は幾らモンスターを討伐しても外れスキル【経験値0】のせいで経験値は手に入らない。即ちレベルも上がらない。


 「そういや他の奴らのステータスってどうなってるんだろ? 鑑定してみたいな」


 俺は鑑定スキルが欲しくなる。

 他の奴らのステータス値の平均がどれくらいかを知りたかった。

 何故なら攻撃力1200が強いのかどうか分からないからだ。


 「まあゴブリンは瞬殺できたし、いけるか」


 俺は森を登っていくと、苦戦しているパーティーを発見した。

 何に苦戦しているんだ?

 俺は覗き込んで見て見ると、そこには黒い色で皮膚を覆った一匹の凶暴なモンスターが居た。

 

 「あれがブラックオーガか」


 二本の角が生えている。黒い棒状の硬そうな武器を手にして魔導士連中と戦っている。


 「仕方ない。助けるか」


 俺は大きな声で苦戦しているパーティー連中に忠告する。


 「邪魔だどけろ。死にたくなかったらな!」

 「何だ貴様!? うん? 外れスキル【経験値0】のレインじゃねえか。何しに来やがった。邪魔してんじゃねえ」

 「助けてやる」

 「は!?」


 苦戦していたパーティー連中が呆然とした顔で俺を見る。

 そして一斉に笑い出す。


 「ふはははははっwww。冗談はよしてくれ。貴様みたいな雑魚に敵う相手じゃねえんだ」

 「そうだそうだ。無能はすっこんでろ」

 

 はあ~散々な言われようだな。

 お人好しではないから、見捨ててもいいんだが、生憎俺もブラックオーガ討伐が必要でね。


 「はああああああああああああああああっ」


 俺は魔剣アーレードで漆黒の斬撃をブラックオーガ相手に飛ばす。

 さあどうだ効くか?


 ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!


 おお、ブラックオーガの身体が真っ二つになった。そしてブラックオーガが消滅する。

 それを見ていた苦戦していたパーティー連中は驚いた顔で俺を見る。


 「何だ今のは!? 何をした!?」

 「何って攻撃しただけだけど」

 「そんな馬鹿な筈があるか。一撃でブラックオーガを仕留めるなどあり得ない」

 

 面倒くさいので俺はその場をすぐに去る。

 因みに倒したモンスターはハンターカードに証拠として記載される。

 その為誰が倒したかは一目瞭然である。


 「一体何なんだあいつは!?」


 俺はこの日少しだけ有名になった。


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 ハンター名 レイン

 ハンターランク30

 パーティーランク1

 ハンター番号000000000000000

 討伐モンスター、ゴブリン、ブラックオーガ

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