第26話 グリン森林②
勇者カズヤがシルバーキング・オーガの集団に襲われている頃、シリウスと天使の羽のメンバーはオーガの集団に襲われていた。
ライナ達はシリウスのを中心に陣を取って防衛していた。
『なんなのよ! このオーガの数!』
『マジで異常だわ! ねえ。リンダ』
『これじゃあ。いつかは私達の体力が無くなるわ』
「皆さん。すいません」
『気にしなくて良いですよ。シリウスさん。私達の役目は貴方を守りギルドに報告しないと行けませんので』
『そうだね。ライナの言う通りです』
「メイさん」
『ソフィ! 防御して! 魔法を放つから!』
『分かったって!』
ソフィがオーガ達の前に立ってオーガの攻撃を防いでいる。
リンダは魔法の準備を開始して、ライナはオーガに突入して行った。
メイは前衛二人に支援魔法と回復魔法をかけて援護して行く。
そして、リンダの魔法の準備が完成すると
『ソフィ! ライナ! 下がって!』
『『了解!』』
『メイ! 結界魔法を頼むわ!』
『分かった!』
『行くよ! 火炎上級魔法『ファイア・トルネード』!』
リンダの放った魔法は巨大な嵐となってオーガ達を包み込んで行く。
オーガ達は次々と黒焦げになって消えて行くのであった。
『どうよ!』
『『『さすが! リンダ!』』』
「皆さん! 注意して何かが来ます!」
シリウスが何処から敵を察知した。
『『『『え?』』』』
それを聞いたライナ達は一旦シリウスの所に戻り、その相手が出てくるのを待つと、一つの黒い影が出て来たのであった。
『これはこれは。此処にも調査の人間がいたのですね....しかもオーガを100体ほど倒しているとは思わなかったです』
「誰だ!」
『初めまして。お嬢様方。私の名は魔物使いゲドンと言います』
ゲドンはシリウス達に自己紹介するとライナ達はゲドンに話をかける。
『そのゲドンさんでしたかしら? 貴方がこの魔物達を召喚している黒幕ですの?』
『はい。その通りですよ?』
「勇者一行とカーン兄弟はどうした?」
『ああ。あの弱い勇者なら、私の配下達によって今頃は死んでいるかと思います。但し、2人の冒険者風の人間は逃がしてあげましたけど?』
ゲドンは微笑みながら答えた。
「一つ、質問して良いかな? 魔物使いゲドンさん」
『そこの探索者の方、どうぞ』
「あんたさ。旧ミッドガル王国に攻め込んだ魔物の集団のボスだな?」
『その通りですよ? 何で知っているのですか』
シリウスの質問にゲドンは答えた。
ライナ達はその話を聞いて驚きを隠せない。
『『『『なんですって!』』』』
「そして、今回の魔物発生はこのカレディア王国をどうしようとしているだ?」
『まあ.....良いでしょう。今回の私の命令は、魔物を大量召喚させて、アンデルセンの街を襲撃する事です。それを見てカレディア王国へ降伏を助言するのですよ?
それで、カレディア王国側はどう防ぐのですか? このオーガ達約20万とシルバーキング・オーガ5万と戦いますか?』
『嘘でしょう.....オーガ約20万とシルバーキング・オーガ5万って.....』
『勝てるはずではないじゃんかあああ』
『リンダとソフイ。落ち着いて』
『ライナ......』
『ライナの言う通りです。それよりどうやって此処から撤退するかを考えないと......』
メイはこの場から撤退を考えているとゲドンがある魔物達に命令をした。
『試しにこの一体を倒してみてはどうですか? シルバーキング・オーガよ! お相手して下さい!』
一体のシルバーキング・オーガがライナ達に襲い掛かった。
シルバーキング・オーガは正拳でソフィを狙って放つ。
『きゃああ。』
ソフィは咄嗟に盾を出したが盾は粉々になって吹き飛んで倒れた。
『この野郎おおおお』
ライナは剣で応戦して行くのだが、シルバーキング・オーガには効果がなく、リンダの魔法攻撃も効かない。
『ソフィ。大丈夫?』
『盾のおかげでなんとか......』
『リンダとライナは?』
『私の方は残りMP少ないわ。ライナは?』
『私も剣が折れてしまったわ。どうする? メイ』
『此処までだね.....シリウスさん。貴方なら逃げ切る事が可能だと思います。此処は私達が何とかしますので逃げて下さい!』
「それは....」
『逃げな! あんたはこのメンツの中では一番弱い』
『そうそう。お姉さんの言う事を聞きなさいって』
『みんなの言う通りです。シリウスさんは此処から早く!』
『逃がしはしませんよ? シルバーキング・オーガ達。この人達を囲みなさい!』
ゲドンの指示にシルバーキング達はシリウス達を囲んでしまった。
(俺なら何とか出来るのだが....天使の羽のメンバーに付けている指輪は....そうかこういう事か.....さすがだなバロム。)
シリウスはそう思って次の行動を起こすのであった。
それは.....シリウスの腰から灰色の玉を取り出して囲まれたオーガ達に投げ込んだ。
オーガ達の目の前に煙が経ち込んでいた。
『目潰しですか.....』
「天使の羽の皆さん! 貴方達の指に付けている指輪に魔力を込めて下さい! 早く!」
『『『『分かった!』』』』
ライナ達はシリウスの指示で指輪に魔力を込めた。
指輪は光輝き、ライナ達の身体を包み込み......そして、ライナ達の姿が次々と消えて行くのであった。
『これって....転移魔法具?』
『そんな....シリウスさん』
『あんた....』
『シリウスさん!』
「皆さんはこの事をギルドマスターに言って下さい!」
『『『『シリウスさあああん!』』』』
そして、ライナ達は消えて行った。
〇〇〇〇
その頃、アンデルゼン内のギルドマスター室では、カーン兄弟とライナ達が転移していた。
「皆さん。良かったです」
『なんですか! この指輪は?』
「もしもの場合の転送魔法具ですよ?」
『あそこにはシリウスさんしか.......助けに行かないと.....』
「無理です! これを見て下さい」
バロムは席の後ろにある白いボードを指すと、白いボードから映像が映し出された。
その映像はシリウスとオーガ達が映っていたのであった。
『これは.....?』
「シリウス君が設置した魔道具をこの白いボードで投影しているのです。このオーガの数本当に約30万のオーガ達がいますねえ.....」
『何をのんびりいっているのですか? あ! シリウスさん!』
シリウスが煙玉を放っている所であった。
「大丈夫ですよ? シリウスさんは助かります」
『何でそんな事がわかるの!』
ライナは大声で叫んでギルドマスター室から出ようとしたが.....カーン兄弟が扉の前に立っていた。
『ライナ。マジで大丈夫だって』
『そうそう』
『何でそうなるのですか!』
『だってさ....』
『うんうん。多分あいつが倒してくれるからだ。しかも、シリウスを助けてな.....だから安心しな。それより煙が消えて行くぞ』
カーン兄弟はライナに白いボードの映像を見る仕草をして、ライナ達はそれを見た。
『『『『え? シリウスさんが消えた?』』』』
シリウスが立っていた所には一人の武装している人物が立っていたのであった。
その姿はライナ達から見たら異質な恰好した人物であった。
「やっと出てきたな? なあ『
バロムはにこやかに答えるのであった。
~作者より~
いよいよ、最強戦士が遂に登場します。
お楽しみ下さい。
面白いと思った方は、評価の☆を★にしていただくと嬉しいです。
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