第6話 セシル6歳(後編)

領主会議が始まる1週間前、マリアンヌはセシルと話をしていた。


『セシル。行ってくるね。くれぐれもメアリーの言う事を聞いてね』


「はい。分かりました」


マリアンヌは王都に向って出発したのであった。

護衛にはハリーとマリアンヌ専門の騎士3人と一緒に出て行った。


(さて、訓練でもするか.....)

セシルは自室に鍵を閉めて、寝ているので夕方になったら起こして欲しいとメアリーに行って、移動魔法を使ってある場所に向った。

その場所は.......ヘンリエッタが言っていた森の中に居たのであった。


そこでセシルは道具箱から剣と服を取り出してから装備をして、魔力感知を使いある物を探していたのであった。


(おっと....此処から10メートル先にいるな.....ゴブリンが10匹か)

セシルは魔力感知した場所に急いで向った。

其処にはゴブリンが約10匹がうろうろとしていた。


(先ずは身体強化して......よし行くぞ!)

セシルは自身に身体強化をしてゴブリンの群れに飛び込んで行ったのである。

ゴブリンの群れは驚いた状況になり、次々とセシルによって倒されて行くのであった。


「よし。この辺でいいか」

セシルはゴブリンの身体から魔石を取り出して道具箱に収める。


「やっぱり、ゴブリンの魔石は小さいなあ。でもこの歳じゃあ、上位魔物には勝てないからな.....」

実は6歳になったセシルは毎日昼寝を口実にこの森でゴブリンを倒していたのであった。


「そろそろ戻らないとメアリーが起こして来るからな」

セシルは移動魔法で自室に戻ったのであった。


そして、夕食後風呂に入った後、セシルは自室で今の自分状況を確認するのであった。


「どれどれ。ステータスオープン!」


名前 セシル=ガイアス 男6歳 

レベル18 職業:魔剣士(魔銃士)


HP3000  MP1000

攻撃S・防御S・器用S・体力S・魔法力C・俊敏S・知性A・運B


耐性 魔法防御B・物理防御S・全異常耐性無効

スキル 道具箱アイテムボックス・錬金・鍛冶・鑑定

剣術S・全魔法属性・魔法攻撃D・格闘A・暗殺A・身体強化・魔弾


称号 ルミナスの使徒......自分レベルと職業を隠蔽出来る。


「結構レベルが上がったよな? でもまだまだレベルが必要だな。しかし、ルミナスの使徒ってなんだんだ? まあ職業とレベルの隠蔽は欲しかったからな?」

この世界ではレベルと職業が優先されていたのである。

騎士団の兵士で約レベル60。

A級冒険者で約レベル80。

勇者クラスで約レベル100。

一般市民で約レベル10~20。

ちなみにロバルトを鑑定したらレベル20であった。

セシルのレベルは一般の大人に近い能力を持っていたのであった。


「坊ちゃま。夕食ですよ?」


「分かった。今行く」

セシルは食堂に向って行った。



○○〇


マリアンヌは会議2日前に王都に着いた。

マリアンヌは王都の南にある宿泊地区にある宿に入って部屋でお茶をすすっていたのであった。

そこに執事のハリーが入って来て


「奥様。いよいよ明後日ですな?」


「そうね。明後日の会議で私が侯爵になるのですね.....」


「はい。アーノルド殿下は思い切った事をするものですね? まあ、実際にはマテウス様との結婚を邪魔したあのバカタレが原因であったのですけど」


「でも。セシルが15歳になるまでは絶対に死なないから」


「そうですね」


「私はもう寝ますから。おやすみハリー」


「おやすみなさい奥様」

ハリーはマリアンヌに挨拶をして部屋を出て行くのであった。


(マリアンヌ様。貴方には我が「エデン」の人柱になってもらいますので.....)

ハリーの口は微笑んでいたのであった。


その夜、

マリアンヌが泊っている宿には、10人の盗賊が立っていたのであった。

1人の部下がリーダーに声をかけるのであった。


『リーダー。今夜の獲物は女か?』


『そうだ。ガイアス子爵の妻だ。中々の美女と言う噂だ』


『それなら、殺す前に犯しても問題ないよな?』


『ああ。決まっているだろう。行くぞ!』

盗賊達は宿に侵入して行くのであった。

下の階に人々の悲鳴が聞こえてマリアンヌは起きた。


「ハリー。どうしたの?」


「盗賊です! 今護衛と戦っている最中です。奥様早く此処から逃げましょう!」


「分かりました。」

ハリーとマリアンヌは急いで部屋を出ようとした途端、既に盗賊達がマリアンヌ達を囲っていたのであった。


『ほお。中々いい女だ』


「貴方は何者なの?」


『俺達はから依頼であんたを殺しに来たのだよ? その前にあんたを犯しましょうか? あははは』


「そうは行かないわよ?」

マリアンヌは指から炎を出して盗賊に向って放ったのであった。


『ぎゃああああ! なんだ!』

盗賊達は次々と倒れて行くのであった。


「貴方達。忘れていないのかしら? 私の名前はマリアンヌ=ガイアス。別名「爆炎のマリア」と言った方が良いかしら?」


『お前は....まさか....この国の一番の魔法使い『爆炎のマリア』なのか?』


「もうそろそろ、教えていただけるのかしら? 主犯は誰?」


『し.....知らない! 俺達は黒のフードを被った女に依頼を受けただけだ!』


「そうなのね....」

マリアンヌがそう言った時、盗賊全てが灰になって行ったのであった。

其処には一人の男が立っていたのであった。


「あなたは.....ハリー! どうして?」


『奥様。我が主の為に人柱になっていただきますぞ!』

するとハリーだった人物は禍々しい姿に変わって行ったのであった。


「貴方は一体何者? 執事のハリーは何処にいるの?」


『これは失礼しました。貴方の執事と護衛の騎士は既に私が灰にしました。私の名前は『エデン』のナンバー20『漆黒のバラン』と申します。』

バランはマリアンヌの心臓に剣を突き刺したのであった。


「.....セシル」

マリアンヌはその場で息を引き取った。


『マリアンヌ=ガイアスよ。我が主の為にあのを開く為の道具として使わせていただくでは』

バランは宿全体を爆発させてその場から消えて行ったのであった....。


○○〇

王都でのガイアス夫人の強襲事件は瞬く間に王都に伝わっていた。

翌日の領主会議では、その事件のおかげでマリアンヌの爵位の件は白紙になり、ロバルト=ガイアス子爵の件も保留となったのであった。


ロベルトは直ぐにベレスタに戻りマリアンヌの葬式を行って、その一か月後、第二夫人であるヘンリエッタとその子供アルベルトとアンリエッタを別宅から本宅に呼び寄せていたのであった。

そして、セシルは自室をアルバルトに譲り、屋敷の外にある小屋で生活する事になったのであった。

しかも、セシル専用のメイドであったメアリーをアルベルト専用にしたのであった。

ある日、セシルは小屋を整理しているとアルベルトとアンリエッタがやって来てセシルに命令するのであった。


『おい。俺とアンジェの練習相手をしろ』


「分かりました」


『中々言う事聞くのじゃないの? 私はあの有名な『爆炎のマリア』の再来と言われているから感謝しなさい』


『俺は父上の剣術でお前を鍛えるからな? 分かったかこの居候!』


「分かりました」


(まあ。この二人のレベルでは俺の相手としては役不足だけどね。でも良い機会だからワザと受けているのも良いかも知れない)

セシルはそう思って二人の剣術と魔法の実験相手をするのであった。

そして、3時間ほどでその実験が終わるとセシルはワザと苦しい顔をして小屋に戻ったのであった。

そして、自分自身に回復魔法を使って自分傷を治すのであった。


「このまま9歳まではあいつらの実験台になっても良いかもな。だって回復魔法の練習になるから」

前世の御剣龍馬の記憶を持ったセシルには痛みとかは問題なかったのであった。

更に3年が経ってセシルは9歳になったのであった。

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