第2話 帰らぬ人そして小さな火


ぼくは全速力で走った息が切れてもたとえ転けたとして走って走って走った多分人生で1番速かったんじゃないかと思う!着く頃には足はプルプルと震えてまるで産まれたばかりの子鹿のようだったそうして衛兵所の大きな扉を叩きながら

「すいません!開けてください!デルタさんが!!」

そう僕は叫んだ10秒ほどすると

「どうしたぁ?」

と言いながら出てきた衛兵の中でも一回り大きな体の人に体を持ち上げられて聞かれた

「デルタさんが!デルタさんが!」

僕はそう叫び続けることしか出来なかった衛兵の人達は

「あの衛兵の恥がどうした?そういえばお前デルタの死んじまった婚約者の弟じゃないか?またなんかされたのか?」

「そ、そうですでも今はそんなことよりも!デルタさんが門の方で大きな音がしてそっちに様子を見に行きました!」

「そんな音は聞こえんかったが一応様子を見に行こう皆準備だえっと坊主俺は衛兵の隊長をやってるドランってもんだ大丈夫この街は300年以上もあの門が破られたこともなければ獣達が入ってきたこともねぇだから安心しろ」


そう言ってドランさんたちはゆっくりと準備を始めぼくは肩に担がれながらもその人達の馬に乗せられてさっきの音が響いた門に向かった

この時は僕もこれで安心だと全て解決したとおもって肩に担がれたまま少し眠りについた


「どうなってんだ!!」

その鼓膜が破れそうな程の声で叫んだドランさんの声で僕は目を覚ました僕はドランさんの肩から飛び降りて門の方を見たそこには片腕がなく片足もなく槍を地面に刺して立っているデルタの姿があったぼくは

「デルタさん!!」

そう言って僕はデルタさんに向かって走った辺りには黒や黄色の石が何十何百と転がっていたそんな中を走り抜けてついたときデルタさんには片目もなく立っているのが不思議なくらいだった

「シン俺は今度は守れたよな自分の街をあいつが大好きだったこの街を」

弱々しい声の中デルタさんは喋った。僕は何があったか分からないしデルタさんが何と戦ったのかもわからないでも

「うん!守れたよ」

こう言う他になかったいやこう言わなければ今にも壊れそうな瞳をしているデルタさんの顔を見れなかった。

「デルタァなにがあった」

ドランさんが隣で名を読び聞いたデルタさんは

「いつもの獣たちとは違うなにかが門を破って街に入ってきたんだ、そして俺はそれを食い止める為戦った」

デルタさんは最後の報告のように弱々しい声ながらも必死でその事を伝えたドランさんは

「よくやったお前は立派な衛兵いや騎士だった!」

そう言ってデルタさんを称えた

「シン強くな、強く生きろよ逃げてもいいし泣いてもいい勝負に負けたっていいでも決して折れるなよ自分が信じた人に裏切らたりしても決して心の芯は絶対に折れることなく前に進め1歩が大事なんだ止まってしまいそうになっても前に踏み出す1歩がな俺にはそれがなかったからよでもお前ならやれるはずだ出来るはずだお前は嫌だと言うかもしれねぇが俺はお前のことを弟のように思ってたんだ!」

「ぼ、僕も口では言えなかったし行動も冷たかったりしたし姉ちゃんを守ってくれなかったこと憎んだりしたけどデルタさんのことお兄ちゃんのようにおもってたよ!」

そう言うとデルタさんは

「そうかァそれは良かったなぁ本当に良かった」


立ったまま泣きながら笑い目を閉じ帰らぬ人となった。


これは見た人は誰もなくそれでも決して背を向けず傷つこうとも大事なものを守りきった小さな英雄が死んだ瞬間であり平和な日々を生きたどこにでもいる少年の心に小さな火を灯した瞬間だった

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