第7話 休み時間2 【3】

「5……」


 ヤバいヤバいどうしよどうしよ!


「4……」


 いやなにを迷ってるんだ俺はッ! カウントダウンが終わるのを待つのが正解に決まってんだろッ!


「3……」


『迷う必要なんてないじゃないですか速水さん! ぜん食わぬは男の恥、ですよ! いっちゃうしかないでしょッ! しかも今なら年会費無料!』


『最後の関係なくないですか? 楽〇カードマンさん』


「2……」


『細かいことを気にするんじゃない! さぁ、今すぐ楽〇カードで検索!』


『いや……でも……』


「1……」


『でももヘチマもなあああいッ! さぁ、イクんですッ!』


『くっ――うおあああああああああああッ』


 自制心という名のブレーキが、とうとう壊れてしまった。


「ぜ――――ッ」


 俺はゼロと言いかけた南沢の唇に人差し指をそっと当て、スカートを下ろそうとした彼女の手を取った。


「もう迷いはねぇ……いただくぜ」


 目を丸くしている南沢に気障きざったらしく言い放ち、俺は膝を地につけた。


 純白のパンティーとの御対面だ。


「ふぅ…………いくぜ」


 意を決し、俺は純白のパンティーに鼻を近づける。


「あっ――」


 そして――白の世界に顔をうずめた。


 スウウウウ――ハアアアアアァ……めっちゃいい匂いするううううううううううううッ!


 さっきのイカのような臭いとは違う、まるでお日様のようなかほりだ。


 いや待て、これはもしや下着の匂いでは? 布の奥に隠れた本体はさっきのような――ま、そんなことはどうでもいいやッ!


「も、もう、速水君たら――うっ……く、食いしん坊さんなんだから――あんっ」


 グリグリ顔面をこすりつけていると、頭上からつやめかしい声が。


 ――み、南沢も、興奮してるッ⁉


 自分の行いが誰かを熱くさせている、その事実が俺を加速させる。


「あっ、うぅ――は、激しいよ、速水君……き、気持ちぃ……はぁん!」


 今の俺はさながら人間電〇だ。スタミナ尽きるまで俺は震えるのを止めない!


「はあっ――は、速水君……あうっ、実はね、さっき嗅がせたの――あんっ! 嗅がせたのはね、私のアソコの臭いじゃないの」


 なんだってッ!


「さっきの授業中――んあっ……私、速水君のいじってたでしょ? あれから――んっ! て、手をまだ洗ってないの……だからあれは――ひゃっ……速水君の臭いなの」


 そうか、どおりで臭かったわけだ! だがそれだどうした? 今の俺には関係ないことだッ!


「でね……今ね……速水君のおち〇ち〇を触った指をね……舐めてるんだ」


 な――――なんだってえええええええええええッ⁉


「おいしいよ? 速水君」


 南沢の甘い声が、イマジネーションを刺激する。


 みみみみみ南沢が、俺のアソコを触った指を――ヨダレ垂らしながら舐めまわしてるだとッ⁉ なんてけしからん子だッ!


「だめだめだめッ! 速水君もうダメ、イッちゃう!」


 だめと言いながらも、南沢は俺の後頭部に両手を回し、自分のアソコに押しつけるよう力を加えてくる。


 傍から見ればカオスな状況。だけど不思議と恥ずかしいという気持ちは一切なかった。


 だからこそ俺は、一心不乱に震え続けることができるのだ。

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