夢遊侵食、最後を求め


 脳内に押し込まれた陰鬱と

 体内に刻まれた失敗達

 何もかも己よりも上になっているだろう


 何に望み何が叶うか

 張り巡らされた針鼠達

 油切れた鉄葉人形は如何に消えていくのか

 

 憧憬と夕景 重なり合った今

 飛んで堕ちて 不幸せに濡れて

 

 見下した侭に君は云ふ


 「最低」


 耐え切れなくなった 旅路の果て

 イトは垂れた

 虚像をはりつけ 消えた最後に

 彼岸の喪失が花開いた


 目を逸らして 失い続ける

 重なっていた視界をも

 銃爪に手をかけた


 離せないで 只追い縋る僕と

 打ち込まれたノーツに従う細胞達

 胸の秩序に雁字搦めで騙されているのだろう

 

 天を仰ぎ含み笑った

 指し示された羅針盤達

 追いつかれた背中刺すは正の論題のみだった


 消えゆく侭に君は云ふ


 「最低」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る