花摘みの終焉、或いはヒガン


緋い情に身を焦がし

ただ前を向こうとした

僕だけの君を見ていた


蒼い理想を落として

ただ笑みを浮かべる

壊れかけの人形を見ていた


再会 君を思い ふらりふらりと押し並べ

追想 君を思い 積み重ね続けた一頁は


ただそばに咲く彼岸花


一人を想って

ただ滑稽に動き続け

動かない君を見ていた


僕だけが 見ていた


離別 君を思い かちりかちりと時を切る

忘却 君を思い 摘み取り続けた一輪は


赫を吸った彼岸花


止まることを知らぬ全てを呪う


ふらりふらりと押し並べ

積み重ね続けた一頁は


僕が捧げる想いと共に

灼き尽きた あかい あかい 彼岸花

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る