第20話

〜ルームN〜


「微笑みさん。移動してきましたけど、ここどこですか?」


「あぁ、この作戦の本部だけど、何やら様子がおかしいわね。周りに味方が居るはずだから、探してきてくれる?」


「分かった。でも、おかしいって何が?」


「待って、だから今調べるんでしょ? えっと、このこのディスプレイに今の状態が、表示されているから。え?」


 渡りをを見渡し、誰か居ない事を確認する。


「微笑み。誰も居ないぞ? ってどうした?!」


「え? あ、大丈夫」


 そんな事を言いながら崩れたであろう、腰を上げる微笑み。


「なら良いけど、何か分かったか?」


「ん? あ、そ、そうね。作戦は、続行不可になって、今、システム市役所が、ハッキングされて、それで消えて、それで、それで、保健所がインストールされる。逃げなきゃ。燃える」


「え? 燃えるって何が?」


「ちょっとは察しなさいよ! このバカ!! この施設に決まってるじゃん! 軍人も入ってきてるし、逃げなきゃ。私タイプ奴隷だし。きっと殺される!」


「おいおい。ちょっと落ち着けよ。そんな出会って直ぐに殺される訳じゃないから良いだろ」


「アオくん。君は知らない。自国以外で者の扱いを知らない。特にタイプ奴隷は。どんな些細な事も、全て死刑にされる。そんな同僚を何度も見てきた。私は、あの人に拾われて。生き延びたけど。だから、今すぐ、逃げるの!! ああもう。面倒くさい! 遺伝子起動。現在触れている生命体を対象に、操作を実行!」


「「「実行中です。なお操作は、神経を接続します」」」


「ほら、走るわよ!」


 そう言って、繋いだ手を引っ張る微笑み。


 体が勝手に動き、その後を付けている。

 手を離そうとしても、はずれない。握る力は緩むことを知らずに、その手を握り続ける。


 廊下を走る。


 息が上がりながらも、走り続ける。


 視界が赤く染まる。足が止まる。


「「「システムより通知。接続されていた生命体の活動が停止しました」」」



〜ログ〜

 微笑みが軍により回収されました。


〜研究室〜


「あの、本当にやるのですか?」


「ここで引くのは、カナシイコト」


「そう言われましても。アメトリンを稼働させるなんて無理がありまよ。アメジストさん」


「ソう言っても仕方がないヨ。石英はちょっとシンぱいしすギ」


「そうですもんね。軍があんな技術を持っているとは思いませんでしたし」


「別に、シトリンでもイインダヨ?」


「シトリン? 無理無理無理。あんな化け物、私達じゃ扱いきれませんよ。せめて、アメトリンにしてくださいよ」


「アメトリンも扱いが難しいとされてイルけど、実際ミイにちょっと色が入ったダケ」


「その色が難しいんじゃないですか! 人情なんて私達や、もはや人ではない人間では制御しきれません。社歴のクリスタルがあれば良いのですけどね」


「「「システム小説より通知」」」


「ショウセツ?」

「小説ですか?」


「聞かない名前ですね。と言うか、あの娘。えーっとあの娘。そうあれ。アメジストさん言いたい事、分かります?」


「ユウが言いたい事は分かるケド、思い出せない。ア、ごめん。小説、通知続けて」


「「「え? 続けて良いんです? 僕なんて、また後も影も薄くて、誰からも認識されていないのに良いの?」」」


「そんな事ないですよ。大丈夫ですから。要件はなんですか?」


「「「石英先輩! あ、通知の内容ですけど、アメジストパイセンは初耳だと思いますが、製作者不明のプログラムがアメジスト社の中枢機関で見つかりました。

 で、その電子署名が参照できない為、その不明なプログラムを作ったとされる人物が作ったとされる者に問い合わせを石英先輩が行った。そして、その報告をと思いまして。個体識別番号は「0829」、そしてその個体名は「絵本」とされています。


 捜査の結果、個体名に関するデータのみが、欠損している事が分かりました。そして、そのデータはどこか別の場所に移動させている事が分かりました。

 その捜査で、新たに3つが個体名を破損を確認しました。名前は、個体名「研究」、個体名「学校」個体名「遊園地」とされています。個体名「研究」は者で、システム「絵本」を作ったとの記録を確認しました。他の二つは「絵本」によって作られているようです。


 で、そのファイル等を操作したとされるシステム? なのでしょうか? 詳細不明のタイプの個体が二つ見つかりました。名前は、「ルビー」「サファイヤ」です。

 そして、それらは、この世界には居ない事が水晶先輩によって分かりました。どうやら、世界の設定? とかなんとかの一覧に載っていたとか。

 そしてその存在をも従えさせる存在がラプラスの悪魔、個体名「作者」としてあるだとか。って感じです。これ以上の操作が必要ですので、お二方の力が必要だと、研究オーナーの「化学」が言っていました」」」


「あれ? 化学? 「博士」ではなく?」


「「「えぇ、昔からですよ? 絶対会ったことありますって」」」


「アメジストさん。何やら世界の情報がおかしいようです」


「ソウだね。調べる必要がある。でもその前にアメトリンを起動させなイト」


「また言ってる!」


「「「で、その個体名ファイルの移動先にですね。クリスタル関連のファイルがあるようでして。え? どうして僕にそんなに睨んでますよデータ送ってくるんですか?!」」」


「ハヤクイエ」

「そうですよ」


「石英。イクヨ」

「ですね」


〜水晶〜


「って事できたよー」

「デスデス」


 ったく、うるさい。


「それは酷いですよー あっ最近渡した、肉体使ってる! 意外と素直じゃない。可愛い所あるじゃん」

「石英、そんな事ヨリ要件」


 石英、くっつくな。


「あ、そうですね。世界の設定等の話でしたね」



〜29〜


 ゆっくりと立ち上がった、その女性は、とてもキレイだった。


「助けてくれてありがとう」

 と言って、俺の頭を撫でた。


 柔らかく、いい匂いがした。って俺は何を考えている。


「尻尾振っちゃってカワイ」


 そんな、訳無い、、、はず、、。


「そんな事よりお嬢さん大丈夫なんですか? かなりの怪我をしていましたけど」


「え? あぁ大丈夫。そんな事より、僕ちゃんは大丈夫なの?」


「坊やは気を失っているだけですよ。俺がここに来た時にはもう、治療は完了していましたし」


「本当? なら大丈夫よね? きっと」


「おそらく。一番衝撃に弱い頭部でも、今の御時世ほとんど機械ですので、脳みそよりかは頑丈ですので。で、者である貴女は大丈夫ですか?」


「多分大丈夫。ナノマシンのモードを神経修復に変更」


「どうでした?」


「うん。大丈夫っぽい。記憶も元通りだしナノマシンが記憶のバックアップを適用したみたい」


「今、そんな事が出来るんですか」


「多分私だけですね」


「はへー 最新のナノマシンも凄いですね。きっと体もさぞ新型なのでしょう。だって私が保有する、約十年前のデータベースには、貴女の種が登録されていませんでしたもん」


「えっと、多分それ最新だと思う」


「何故です?」


「十五年前ぐらいから、者の新しい種は開発されていないから」


「あ、そうなんですか。じゃぁ、貴女は?」


「う、、、うん。あれ? お姉ちゃん?」


「あ、僕ちゃん。大丈夫? どこも痛くない?!」


「大丈夫」


「あ、大丈夫そうですね。では、立ち話もあれなので、俺達の家に招待しますよ。付いてきてください」

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