第11話

「アメジスト社、一向に告ぐ。今すぐ占拠を止めたまえ!! 貴様らの目的はなんだ! 言ってみろ」


 そこは、ライフライン停止の範囲外の駐車場。

 聴覚的には声など一切聞こえないが、外部マイクはバッチリそのノイズを拾っていた。


「「えーえー。聞こえますか? モニターに写ってる大統領さん。こちら、組織を代表して話してる者です。要件は、簡単、者達の開放と、それらを我々が回収することの出来る権限を得る事です。そして、我々の国としての独立です。わかりましたー? 以上」」


 そんな事を発する絵本。


「そんな事はどうでもいい。小生を返せ! 今すぐだ!」


 言えって言ったのは大統領じゃん。


「絵本。相手にしている暇はないと言っておいてくれ」


「「了解」」

「「えーえー。今そんな討論に付き合ってる暇はないそうです。諦めてください」」


「ふざけるな!」


「「学校から通知。どうやら社長からの連絡みたい。僕はどうなっても知らないよ」」


「繋いで」


「「はいはい」」


「こちら、博士。なんでしょう社長」


「あぁ、第一博士。今何してる。まさかニュースに写ってる輩じゃないよな?」


「左様です。国立博物館に籠もっているのは私達です」


「そうか、わかった。理解した。タイプ奴隷、個体名、研究。タイプ奴隷として、生きろ。いいな。健闘を祈る」


「わかりました。ありがとうございます」


 通信が切れた。

 

 サーバー小生に告ぐ。現在収集したユーザーに遊園地をインストール。新規ユーザーの収集を停止。

 実行を許可。

 実行。


「「「一部エラーが確認されました。完了しました」」」


 エラー解析を開始。


「「「開始しました」」」


「「「五秒前に対象エラーは解消されました」」」


 収集ユーザーの開放を実行。


「「「完了しました」」」


 バックアップ小生を、個体名小生DNAに上書き。


「「実行します。 絵本の新規プロセッサーを使用しましすか? 自動選択が有効。実行します。完了しました」」


 本館内のライフライン供給を再開。


「「完了しました」」


 小生を起動。サーバー小生の封鎖を解除。


「「完了しました」」


「「学校より通知。侵入者を確認しました」」




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