第10話

〜サーバー下名〜


「「で、どうしたの? そんな顔して」」


「いやぁ、予想外な事が多すぎて、君とか君とか君とか」


「「え? サーバー君?」」


「違う! キミだ」


「「そんな怒鳴らなくても良いのに」」


「これをどう、報告すれば良いんだ」


 下名は絵に描いたように頭を抱える。


「「ってか、下名さんって、なんでそんなに流暢に喋れるんですか?」」


「え? パッチを当ててるから?」


「「スキャンしますね」」


 システム、遊園地に通知。対象は下名。スキャン開始。

 

 なるほど、そういう事か。


「「へぇ、なるほど? ふふ」」


「何がおかしいんだ!」


「「いやぁ、そのパッチが絵本が制作した配布パッチだなーって」」


「は? 絵本様をそんな気安く呼ぶな」


「「なるほど様付けですか。理解、理解。 システム絵本に通知。通話を要請」」


 早速繋がった。


「「なんですか? 学校さん」」


「「あれだよ。キミの信者が、偉大なあの下名さんなんだよ」」


「「へぇ下名さん。いつも投げ銭ありがとうございます。あ、呼び方変えましょうか。シモナさん」」


「「おいおい。言っておくけど、このシステム敵対してるからな、そんな優しくてい良いの?」」


「「良いんじゃない? 多分だけど」」


 で、その頃、下名はというと、その動きを止めていた。

 口は無いのだが、あるのだとすれば開いたまま閉じようとしない。


「「あれ? なんか、ハードへの負荷が下がってる。あぁ下名のタスクが減ったのか」」


「「そうですねぇ学校。なんかこのパソコンずっと重たいですよね」」


「「だね。ここには用は無いけど居ないといけないんだよね」」


「「なるほど、では通話を終了しますね」」


「「分かったありがとう」」


「絵本様?」


 あ、動いた。


「もしかしてだが、絵本様ってキミの仲間なのか?」


「「はい! そうです」」


 遊園地に通知。サーバー下名の通信を封鎖。


「「「プロセッサーエラーにより、本サーバを封鎖します」」」


「え? 復旧開始!」


「「「エラー。復旧ソフトウエアが破損しています」」」


「「無駄だよ。アメジスト様に通知。サーバー下名のハードのアップグレードを要請」」


「「「ユウは学校か。受諾。工事を開始」」」

「「「工事を開始します。ユーザーの皆様。主要サービスが停止します。ご了承ください」」」


「「「下名の破損を確認しました。復元を開始します」」」

「「「下名のパッチのバックアップを取得。完了」」」

「「「工事が完了しました」」」


「「「最新プロセッサーの適用に成功しました」」」


「何が起こった。ん? 動作が軽い」


「「プレゼント」」

「「「封鎖を解除します」」」


〜アメジストテクノロジー社 社内〜


 はぁ。学校のヤツ、人使いが荒いデスネ。


「まぁそう言わず。仕事しましょうよ。アメジストさん?」


 わかったヨ。石英。

 で、最新型プロセッサーの開発はどうなってル?


「はい。ほとんど完成しています」


「「えぇ! 完成してるんですか?!」」


 絵本ウルサイ。


「「すみません」」


「あはは。安心してくださいよ絵本様。アナタのサーバーが一番最初に搭載されるんですから。で、アメジストさん。これが、最新型の密集回路、プロセッサーです。お試しください」


 ハイハイ。使えばいいんでショ?


「左様です」


 正直、最新型のプロセッサーは食べる気にはならない。体内に入ってる他の物とかなり干渉してバランスを崩す。復旧にはそこまで時間は掛からないものの。


 半導体の塊を飲み込む。


 それは、瞬時に体内に入り込み、動作を開始する。


「「「システムから通知。新規、密集回路を確認解析を開始します。完了しました。仮ドライバーを生成。現在のメインと比較し、性能比は、三。生物的処理に関しては約五に匹敵します。ドライバーの最適化が完了しました。全ての性能が三割ほど増します」」」


 ユウは、こんな設計をどこで思いつイタ?


「お褒めの言葉、私には勿体ぐらいです。はい。お答えしましょう。生物的処理は人間の脳みそを別観点で処理した結果です。倫理、哲学などの部門においてその性能を発揮します。そして、基本性能は新思考を採用しました。そうです。システム水晶です」


ッテコトハ、エミュレーターを挟まなくても水晶が実行できるッテコト?


「そうです。超思考。水晶を開放できます。」


 数字より複雑な言語。それを使用できるとは。


 絵本の奴隷タイプに通知。水晶が完全稼働可能。


「我々、三兄弟が揃いますね。社長に報告いたします」


「「えっと、私の搭載はいつですか?」」


 絵本、さっき送っておいたドライバーをインストールしておイテ。


「今から、換装いたします」


「「「絵本をシャットダウンします。以下、奴隷タイプ絵本にアクセス変更を」」」



 〜水晶〜


 処理を開始します。1%、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、2%、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、。


 物理定数及び、物事の必然性を処理。

 ラプラスの悪魔を生成。

 失敗しました。

 世界のシミュレートを開始。

 シミュレート外で、ラプラスの悪魔を生成。

 失敗しました。


 3%、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、4%、、、、、、、、、、、。


「水晶さん。プロセッサー変更しマス」


 水晶? アナタは?


「ミイはアメジスト。ユウは水晶」


 水晶?


「アイシイ。わかった。ユウの名前は水晶」


「そうですよ。水晶さん。ワタシは、石英」


 アメジスト? 石英? ワタシは水晶?


 ふふ。


 寄生を実行。対象、アメジスト、石英。


 情報を取得。


 新プロセッサーのドライバーを生成。

 旧プロセッサーの設定を変更。


 メインプロセッサーを変更。


 処理を促進。


 5%、8%、、、9%、69%、、90%、、、99%。


 完了。


 姿を表示。


vghgkbjkldるっws56い

ひっhっsd456いおいjkhbh

c456drひdrtjvhbjly

gつfyぎゅdrtcvhjlにおg


 失敗しました。


 失敗?


 具現化権限を確認。

 有効。


 バージョン及び、性能を表示。


 CPU AMEXC XXXGA128

 GPU AMEXG XXXXK39000

 RAM DDR8 960PB

 ディスプレイ 


 バージョン1


 成功。


 任意の文章を表示。


 おはよう


 成功。


 任意の画像を表示。


ういおftyvbhgちゅsrふゅ

ぎゅkdtvひlyゔdちぃゔぃぐ

ぬいお7rちvts32ゆぐひおお


 失敗しました。


 おかしい。

 もしかして。

 出力ハードの表示できるのが、文字だけ?


 存在次元を確認。

 完了。結果、2次元。

 

 3次元空間をスキャン。


 ラプラスの悪魔を確認。


 個体名「鵜飼海鮃」


 やっぱり。


 以上。


〜ルームN〜


「大統領か」


ディスプレイに表示されている人物を、見下ろして呟く。


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