第十二話:閑話:新たな友人
──翌日、ぽかぽかと暖かい春の日差しが心地よく感じる、街中の昼下がり。
高校生活の開始を告げる始業式が、遂に明日へと迫っている今日この日。
入学式の日に仲良くなった四人組で、最寄り駅近くのアニ○イトとへと訪れていた。
目的は勿論、月が変わって一週間後に発売されたライトノベルの新刊。
ノリで作ったL○NEグループに、
「……まあ、今月の新刊で俺が欲しいのが発売したのは月初めだけなんだけどな」
既刊が並べられている棚の方にいる
彼らを見ながら、新刊が並べられた棚の方にいる俺は苦笑して呟いた。
「知ってるよ。でも、この機会に仲良くなった方がいいでしょ?」
そんな俺に、隣で新刊のあらすじを確認していた三助が、視線を外さぬままそう返す。
趣味
「それもそうだ……サンキューな、三助」
「いいってことさ〜」
なんとも気の抜けた返事だが、付き合いが短くないなりに三助も俺の事をわかってる。
二乃も大事だが、俺だって高校生活を楽しみたい気持ちはちゃんとあった。
だからこそ、早々に手助けしてくれた三助に俺は感謝しているつもりだ。
ちなみに、当の二乃はと言うと今日は祖父母家で入学祝いの
彼女の祖父母はそういうのが大好きで、祝い事がある度に呼ばれているのだとか。
「ここのアニ○イト初めてきたけど、すごく品揃えがいいんだね!」
そんなことを一人考えていたら、蓮川くんが目をキラキラとさせてそう言ってきた。
その声は弾んでいて、彼と共に橘さんも隣でコクコクと勢いよく頷いている。
どうやら、蓮川くんと橘さんの地元はちょっとした田舎に住んでいるらしい。
ラノベに限った話だと、そこの本屋はかなり品揃えが酷いと聞いた。
それに比べ、ビルや学校が近くに並ぶこのアニメイトの品揃えは中々のものだ。
その違いに、彼らは二人仲良くテンションを上げているのだろう。
「気に入って貰えたなら、学校帰り、また一緒に買いに来ようよ」
そんな蓮川くんと橘さんに、三助は笑いかけながら提案する。
それを賛同するように、俺も隣で笑いかけて、力強く頷いて見せる。
蓮川くんも橘さんも、そんな俺たちに笑い返してくれた。
「こちらからも」
「ぜひお願いします」
……何故にコンボした?前も思ったが、それはもうカップルじゃなくて夫婦な気が……
ま、まあ、どっちにしろ、二乃や三助以外にも友達を作ることが早速できてよかった。
彼らを見て、そう思った俺なのであった。
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