第151話 経験値のしくみ


パーティ人数が多いとそれだけ経験値の分配で損をしそうだが、イディ夢では一概にそうとも言えない。


イディ夢の経験値は固定給プラス歩合性なのだ。



もちろん倒す敵によってもらえる経験値は異なるけれど、パーティメンバーは全員一定の経験値を確定でもらえる。


そこからさらにモンスターに攻撃した人、盾で敵の攻撃を受けた人、仲間に回復行動をとった人など、戦闘に参加するごとにもらえる経験値が増加する。


しかし、モンスターを回復させて無限に戦って、無限に経験値を得ると言うようなことはできない。


これも戦うモンスターによるが経験値の増加値にも制限があり、制限を超えて戦闘行為をしても同じモンスターからはそれ以上の経験値は得られないのだ。



私たちパーティで言うと、たとえばバロンのお散歩中、私とアイギスはほぼ何もせずにバロンの狩りが終わるのを待っている。


その時の経験値は私とアイギスは固定の経験値のみを獲得し、バロンだけがモンスターの攻撃や相手の攻撃への回避行動などによるプラスの経験値を得ている。


時々、アイギスが私をはぐれた敵の攻撃から守ってくれることがあるが、その時はアイギスにもプラスの経験値が入り、攻撃を受けたアイギスを回復した私にもプラスの経験値が入る。



だから人数が多いと経験値の分配で損をすると言うことはない。


しかし、人数が多いと戦闘に貢献する機会が減り、その分、プラスの経験値がもらえなくなると言うことはあるらしい。


そのため、通常フィールドの敵相手だとパーティを二組に分けて戦闘することもあるらしい。



以上、検証班の調査により判明した事実からの抜粋。


検証班すごい。今どこで何してるか分からないとか、普段から何してるのかよく分からない人たちとか思ってごめんなさい。


検証班の検証、すごく役に立つよ。ありがとう。



検証班の収集した情報はゲーム内掲示板にまとめられており、探索者ならだれでも閲覧可能らしい。


普段掲示板を見ない探索者でも検証班のまとめだけは見ると言う人が多いらしい。


やっぱり私も掲示板は見るべきだろう。見るべきなんだろうな。でもなぁ。苦手なんだよなぁ。



なんてぐだぐだ考えて巡らせた視線がパチリとおもちゃさんと合った。


掲示板は 苦手~なんて話をしてそんなに経っていないので私の考えていることはおもちゃさんには丸分かりらしい。


まかせろ!と言わんばかりにサムズアップをしてくれた。おもちゃさんにはいくら感謝しても足りないくらいだ。


しかし、おもちゃさん的にはお米の情報で十分元は取れているらしい。


ご飯じゃなくて赤飯だけれど、それでも嬉しいのだそう。お米好きのおもちゃさんには情報料の代わりに幾つか赤飯を渡したけれど、泣いて喜んでいた。怖かった。


それから、次のボス攻略もおもちゃさん的にはすごく助かるらしい。


ハンスと繰り広げた死闘の数々から次のボスでも苦戦することは確定的明らかなため、強力な助っ人が欲しかったらしい。


助っ人に成り得るのはバロンだけだと思うけれど、期待に応えられるよう私も頑張ろう。




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