第34話 きちんとケジメを

 だらだらしているとダメ。

 きちんとしなければ。

 結城ゆうき君から告白されて1週間。

 もう延ばすことは出来ない。

「待たせてごめん」

「大丈夫」

 校舎裏に結城君と2人きり。

「早速だけど?」

「うん、返事をと思って」

「うん」

 ふぅーと息を吐く。

 気持ちを落ち着かせるように。

「結城君」

 私は彼の目を見る。

「ごめんなさい」

 そう言って頭を下げた。

「私は時生ときお君が好きだから」

 はっきり言った。

「はぁー・・・分かった」

 結城君?

「時生には勝てなかった」

「?」

「でも気持ちを伝えて良かった、ありがとう」

 ごめんなさい、本当に。

「ちゃんと時生に言えよ?アイツ、もしかしたらまだビビってるはずだから」

「えっ?」

「一応、アイツの背中を尻をぶっ叩くけどさ。女の子に言わせるのは、やっぱり男としてダメだろ」

 何を言ってるの?

「結城君、えーっと・・・?」

「あぁ、こっちの話!んじゃ、これからも良き友達としてよろしく」

 そう言って結城君は歩いてどこかへ行ってしまった。

「はぁ・・・」

 へなへなと地べたに座った。

「これで、良かったんだよね」

 自分の気持ちに正直に!

「あとは、時生君だけ」


 早く言わなきゃ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る