第23話 一難去ってまた一難

 平穏が戻った教室。空気が雰囲気が良い!

 あの一難の間には、生徒会選挙があり、無事に湖波こなみ先輩が生徒会長に。

 そして生徒会長から退いたたちばな先輩は副会長になって生徒会に残った。


 今は文化祭に向けて準備中!

 私のクラスは小さい子供向けの遊び場コーナーに決まって、紙風船や輪投げ、小さな滑り台、手が汚れない砂場、落書きボードなどを準備している。

 そして読み聞かせは午前と午後に1回ずつ実施。

 読み聞かせをする放送部は今、練習中。

「楽しいねぇ~♪」

「うん!どこのクラスも凄いよね!」

 他クラスの気合いの入れようも凄い。

 特に3年生は、ステージ発表もやるんだから体力が凄まじい!

 最後って言葉は、時に魔法のような力を発揮し、素晴らしいモノを作り上げるのだから。

「あんずちゃん」

「あっ、結城ゆうき君」

 ほぼ毎日、話しかけてくる結城君。

 なんでだろう?と思いつつ。

時生ときおは?」

千夏ちかもいない・・・まさか!抜け駆けしやがったー!」

「はいはい落ち着く落ち着く~」

「面白がらないで美夜みやちゃん!」

「あらバレたか!」

 ううっ・・・悔しい!

「恋のライバルに先越されたか」

「結城君まで言わないで!」

「あーら、抜け駆けしちゃった♪」

「あっ!千夏!」

 教室に戻ってきた千夏と時生君。

「へへん♪」

 むぅーっ!!!ドヤ顔ムカつくー!!!

「はぁ・・・ウザッ」

 呆れている時生君。

「時生、良いか?」

斗緖哉とおやいたのか、なんだ?」

「ちょっと・・・」

「お前、クラスの準備は?」

「俺の代わりはいくらでもいるさ」

「なんだそれ」

 時生君は結城君と一緒にどこかへ行った。

 一方、私と千夏は。

「なんで抜け駆けしたの?」

「あなたが作業しているから、私は安藤あんどう君と一緒に♪」

「むむぅ!」

「諦めなさい」

「悔じいー!」

「2人とも手伝ってー」

 美夜ちゃんになだめられながら、仲良く3人で作業するのであった。



安藤時生 side


 めったに人が来ない廊下に俺と斗緖哉はいた。

「そんで、何だ?今じゃなきゃダメなのか?」

 様子がおかしい。

「うん今じゃなきゃ、言いたい事は早く言っとこうと思ってさ」

「?」

 今までこんなことなかった。

 珍しすぎて気持ち悪い。

「時生がもしなんとも思ってないなら、応援してほしいことがある。反論あれば言ってくれ」

 斗緖哉は一呼吸置く。


「あんずちゃんのこと好きなんだ」


 何故か心がざわつく。ちょっとだけ苛立ちも。


「時生は、どうなんだ?」


 俺は、俺はー・・・


 この瞬間に、状況が激変した。

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