第20話 分かるから耐えるしかない

 寂しい、淋しい、そういう人を怒れない。

 変な気遣い、変な優しさ、だとしても。

 分かるからこそ、その怒りをぶつける相手が私なら耐えないと。


 日に日に怒りが大きくなっていく。

 その怒りに私は耐えた。

 心の悲鳴が聞こえる、痛くなるほど分かる。

 だから全力で受け止めて耐えた。

 色鮮やかな景色の日常はやがてモノクロと化する。

 友達といても嘘の笑顔、嘘の明るさを作る。

 大丈夫、それは時にまやかしの言葉になる。

 見破るのは、至難の技。

 涙はいつも夜に流し、陽が昇ると共に渇れる。

 また涙は溜まり、夜に流し、やがて渇れる。



 トイレにいくと、上から水が降ってきた。

 教室では様々な物が壊れた。

 靴は外履き内履き共々、泥々びしょびしょ。

 体育着も泥々びしょびしょ。

 SNSという見えているようで見えない場所で悪口が散乱し拡散されていた。


 私は毎日やられても、吹き飛ばした。

 表面だけだけど。


 早く終わって欲しい。

 心は疲弊していくのが分かる。



 でも今は、もう、分からない。

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