第二章 2つ目の気づき

第14話 2学期から波乱の幕開け

 大変なことになった。


 2学期初日、クラスではある話題で盛り上がっていた。

「転校生?」

「うん、うちのクラスらしいよ」

 美夜みやちゃんの情報通は凄い。

「男子?女子?」

「女子だって」

 うーん、嫌な予感。

「難しい顔してどうした?」

「なんか、嫌だなーって」

「変なあんず」

 なんか、本当に、うん。

「おはよう、あんず」

時生ときお君おはよう!」

 慣れたぜ!お互いに名前呼び!

「いつの間に!」

「美夜ちゃん、打ち解けたのさ!」

「良かったねぇー!」

 ふふん♪私って幸せ者ー!

「おはようー席つけー」

 担任が教室に入って来た。

「今日から新しい仲間が加わる。入れ」

 教室に入って来たのは、美夜ちゃんのいう通り女子。

「ぁっ・・・」

 時生君が小さな声をもらす。

 顔を見ると、顔面蒼白。

「と、時生君?」

 声をかけても反応がない。

「はじめまして、金井かない夏姫なつきです、よろしくお願いします」

 ぶりっ子・・・かまってちゃん・・・あざと可愛い系女子。

 ツインテール、童顔、低身長、でもバストは私より大きい・・・悔しい。

「金井の席は窓側の列、前から2番目」

「分かりました」

「では、あとは学級委員長、よろしく」

「は、はい!」

 金井さんは席についた。

 すれ違いで美夜ちゃんは教壇に。

「てか先生、何を?」

「そろそろお約束の席替え祭りじゃないのか?」

「あぁ・・・あれ」

 ということで、お約束通りに席替えを開催。

 皆嬉しそうにざわざわしている中、私は時生君が心配に。

「どうしたの?」

 椅子ごと彼に近づいた。

「あいつ、何でいんだよ」

「もしかして、金井さん?」

「元、カノ・・・」

 まさかの事実!あの女か、時生君のことを傷つけた張本人!

「俺、もう・・・」

 とっさに彼の両手をとった。

「大丈夫、私がいる、頼りないけど」

 ポンコツだけどすみません。

「ありがとな、あんず」

 愛しの時生君のためなら、火の中、水の中、おちゃのこさいさいで、しゅるしゅるって突破するしー!!!

 これはまず、席替えでなんとかせんと!

「どうやって決める?」

 「くじ引き」「早い者勝ち戦」「話し合いで場所決め」と3つの意見が出てきた。

 くじ引きはダメ、どうすることもできない。

 早い者勝ちもどうかと思う。

 消去法で話し合いが良い。

 どうする私!

「・・・さん、佐藤さとうさん」

「わっ!篠木ささきさん」

安藤あんどう君、顔色悪いわね」

「なんでもない」

 くっ、ここは篠木さんにも協力してもらおうか。

「篠木さん、ちょっと」

「なに?」

 この人も性格が丸くなったもんだ。

「詳しいことは言えないけど、とりあえず、時生君の前に座って」

「は?」

「あとで話すからお願い!」

「わかったわよ。てか、さっき安藤君のこと名前で」

「それもひっくるめて話すから!」

「はいはい」

 交渉成立!

「ここから動きたくない?」

「できれば」

「じゃあ、美夜ちゃんに話し合いにしてもらえるように、お願いしてくる」

「すまない」

 私は美夜ちゃんとこに行って、軽く説明。

「分かった、任せなさい!」

「ありがとう!」

 美夜ちゃんになんとか、話し合いで席を決める流れにもっていき、そうなった。

 助かる~♪

 こうして、私と時生君は変わらず、私の前に美夜ちゃん、時生君の前に篠木さんに決まった。

 これで平和ね!

「あー見ーつけたー♪」

 うっ、来やがったな、金井さん。

「久しぶりぃ、とき」

「・・・」

「なんか言ってよぉ」

 今にも0距離になりそう。

「あの!」

「なにぃ?」

 なんだ、このねばっちぃ喋り方。

「何しにここへ?」

「失礼な子だなぁ~。ときの近くと思ってねぇ」

「ごめん、私たち先着なんでどかないから」

「そうなのぉ?残念だなぁ」

 イライラ・・・。

「お引き取りを」

「はーい!」

 あっさり引いた。

「あとで話そう、とき」

 鼻唄を歌いながら他の場所に行った。

「なんなの、あのぶりっ子」

 と篠木さん。

「感じ悪ッ」

 と美夜ちゃん。

「イライラする」

 と私。

「3人とも悪かった」

「「「あっ・・・」」」

 3人、顔を見合ってからの。

「そんなことないから!」

 と私。

「そうよ!大丈夫よ!」

 と篠木さん。

「うんうん!」

 と美夜ちゃん。

 三者三様の慌て方。


 これからの学校生活が・・・。

 でも決めた!私がなんとかするんじゃーい!

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