第10話 美人先輩はおしゃべり好き

 体育祭が終わった後に期末テストがあって、1週間後には夏休みだ。

「あの先輩と話したい・・・」

「どうしたの?」

「あの美人先輩が気になる」

 湖波こなみ先輩を見てから気になっていた。

「明日生徒会あるから、その時に生徒会室前で待っていたら?」

「なるほど!それな!」

 美夜みやちゃんは的確なことを言うため助かる。

 明日が楽しみだな~♪



 翌日の放課後。

 私は生徒会室前で待機していた。

 覗くと、いた湖波先輩!綺麗ー!

 目鼻立ちは整っていて優しい感じで、髪は向かって左にまとめて緩めに結っている。

 なんて声をかけようかな?などとルンルン気分な私。

 安藤あんどう君のことを考えるとドキドキして、その日に幸せワードが出たら頭の中はそれがリピートしまくるという、ルンルンとは違う。

 女の人にルンルン気分は初めてかも!

 ガタガタガタ・・・

 生徒会の会議が終わった!

「来るぞ・・・!」

 1、2年生が生徒会室から出ていく。

 残ったのが、湖波先輩と生徒会長さんと、うちの担任。

 楽しそうな会話している、気になる。

 気になる感情が前に出たからなのか、ドアにぶつかった。

「ん?佐藤さとうなにしてるんだ?」

「あっ、すいません先生」

 バレたー、ヤバいー!

はち先生のクラスの子?」

「はい、んです」

「へぇ~、可愛いー!」

 えっ?なんか、ギュッて・・・

 湖波先輩が私をハグしとるがなー!

「とっても可愛すぎー!八先生、可愛い子は必ず紹介してって言ったじゃん!」

「はあ?そんなこと聞いてない」

「んもお!」

 この人、しゃべんなきゃめちゃ清楚でモテるのに、しゃべると見た目と違う!

「湖波、離れたら?」

 生徒会長さんナイス!

「嫌だ、変な人から守るの!」

 この人、変人?

「先輩、離れて頂けたら助かります」

「あらそう?分かったわ!」

 あっさり離れた。

「うーん、やっぱり可愛い・・・お持ち帰りダメ?」

「危ない」

「八先生には関係ないしーだ!」

「やれやれ、母親も母親だが娘も娘だ」

「なによー!見た目はなごちゃん、性格ママ、完璧じゃん!」

「あー、うるさい、俺は職員室戻る」

「バイバ~イ、なごちゃんの彼氏~♪」

「余計なことを言うな!」

 先生は若干怒って職員室に戻って行った。

「先生と先輩って?」

 つい聞いてしまった。

「初めて先生に会ったのは私が小1の時、でも私のママとママの妹は先生が高1の時からの付き合いなの!」

 そんな古くからの、凄い。

「でもね、ママの妹が亡くなって、八先生が大学生になってから、しばらく会ってなくて。でも私を通して10年前に再会ってわけ」

 なんか複雑。

「ちなみに、ママの妹と八先生は恋仲だったの!ママから聞いて素敵だなーって思って、そんな運命に憧れてるの!」

 へぇー、あのぶっきらぼう先生が大恋愛ってか。

「運命の相手は俺じゃないの?」

たちばな君、何度告っても振り向かないよ私」

「そんな・・・」

 何回撃沈してんの生徒会長さん!?

「ねえちょっと」

「はい」

 湖波先輩に隅っこに呼ばれた私。

 すると耳元で。

「本当は良いかな?て思ってるの」

「えっ」

「でも、ダメって何度言っても何度も告ってくるから、そろそろだとも思ってる」

「なるほど」

「意地悪したくなるんだよ~ふふ♪」

 いたずらっ子!可愛いじゃないか!

「何の話?」

「橘君って意外と凄いーって話」

「えっマジで!?」

「浮かれんな会長!」

「すいません」

 面白い2人。

「ところで名前は?」

「あっはい、佐藤あんずです」

「あんずちゃんね!私は湖波つぐみ!」

「俺は橘 武人たけひと

「よろしくお願いします、湖波先輩、橘先輩」

「こちらこそ♪」と湖波先輩。

「よろしく」と橘先輩。

 目的は湖波先輩とお話だったけど、フレンドリーだった。

 いつ、橘先輩にイエスと言うのかな?

 見守ってこう!

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