第4話 寝たふり

 安藤時生 side


 朝からダルかった登校初日。

 変な女子に付きまとわれて、人集りが出来て最悪。

 入学式では、呼ばれて起立しながら返事して着席。

 1分後、聞き覚えのある名前に体がビクッと反応してしまった。

 嘘だろ?

 その子は、別人になっていた。

 朝、教室にいた時、隣にいたその子。

 でも名簿なんかよく見てないから今の今まで気づかなかった。

 ふくよかで、真ん丸顔の、大きな女の子だったのに、すっかり可愛くなってしまった。

 一体、何があったんだ?

 俺のせいか?


 教室に戻ってその子に話しかけたかったが出来なかった。

 自己紹介の時にもう一度名前を聞いて、間違いないと確信した。

 でも、どうして良いのか分からず、寝たふりをした。

 あっちは多分俺に気づいている。

 だから、席替えの話になったら2学期に持ち越すことだけ考えたが、そうなったから良しとする。

 様子見といこう。


 それに知らないヤツばっかだから、ちゃんと相手を見て判断しよう。


 同じことは繰り返したくない。

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