第3話 チャンスがきたと思ったら
入学式の後、教室に戻ってから自己紹介。
「
この時間で、ついに、私のことに気づく瞬間がキタァー!
自己紹介で名前を聞いて気づく→『あの時のあんずちゃん?可愛くなったね』『うん!』→『これからよろしく』『はい!』
そして、いろいろあって、かーらーのー、『好きだ、付き合おう』『喜んで!』
ギャァァァァァー!!!!
妄想とはいえ止まらない!
興奮してきた!
いや、待てよ。入学式の時、担任は名前を呼んでいる。
てことは聞いている→気づいてる!
だから、改めて聞いて確信に変わって、より一層今後の展開は豊かにー!
席なんて、と・な・り。
安藤君は廊下側1列目の最後尾。
私は隣の列の最後尾。
ヤバいヤバいヤバいー!!!
安藤君と私ってやっぱり運命の赤い糸で結ばれているんだー!!!
でも・・・名簿では安藤君の次は。
覆すことの出来ない状況である。
身長なんて背の順で並ぶと安藤君とアイツは後ろ。私は小さいから前。
くぅー、悔しいー!牛乳飲んだのにー!
適度な運動だってしてたのにー!
足りなかったのは何よ!むぅー!
「
「あぁはいっ!」
「間抜けな顔すんな」
「「「あははは!」」」
うっ・・・笑われた。
「佐藤あんずです、よろしくお願いします」
パチパチと拍手。
チラッと安藤君を見た。
えっ?ね、寝てる!?
寝顔、尊い・・・。
※
「次に学級委員長と席替えについてだが」
全員の自己紹介が終わり、次のテーマに移った。
「誰か委員長やってくれるやつは・・・」
「はい、是非この私が!」
「
「「「はーい」」」
あっさり決まった。
「そんじゃ後はよろしく」
担任は後方に下がった。
美夜ちゃんは教壇に立つ。
「では席替えについてですが・・・」
ガタンッ
安藤君、机を蹴ってどうしたの?
静まり返る教室。
「えーっと、どうしたの?」
おそるおそる美夜ちゃんは安藤君に話しかけた。
「悪い、席替え、2学期にしてくれないか?」
どういうこと!?
ざわつき始めた。
「会ったばっかだし人となりはまだ知らない。だから、1学期はこのまま過ごして、2学期に自由にと思って、駄目か?」
なんという!素敵!
まっ私は席替えあると離ればなれの確率が出るから、ここは移動なくこのままがベストなんだよね!
「みんな、良いそれで?」
すると「意義なし」「言われてみれば納得」「それな」「良いんじゃね」と、反対意見は出なかった。
「てことで、1学期はこのままで」
同意の意味の拍手で席替えイベントは2学期に持ち越された。
やったやったー!!まずは7月まで安藤君の隣!
幸せー!
自分の席に戻る途中、美夜ちゃんはわたしを見て親指を立ててウィンクした。
ありがたや~美夜ちゃ~ん!
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