第2話 やったー!でも・・・

「あっ、うちら同じクラスじゃーん!」

「ほんとだ」


 こっそり探す。


 安藤あんどう時生ときお・・・

 安藤時生、安藤時生、安藤時生安藤時生安藤とっ・・・。


「あったー!!!」


 ハッ!絶叫してしまった。

 「すいませんすいませんすいません」と四方八方に頭を下げた。

「あんずぅ~可愛いー最高ー!」

 美夜ちゃんは私の肩をポンと叩いた。

「いやいや、バカって思ったでしょ?」

「ううん、オーモローって思った!」

 この子なんなの、ヤバい気がしてきた。


「あっ・・・ショック受けんなや、ほらあれ」

 美夜ちゃんが指さした先を見た。


 あっ・・・


 ばっばっ・・・バカアアアアー!!!!


「なんでなんでなんで!?」

「これはどうにもならん、諦めなさい」

「手がめちゃめちゃ震えてる」

「落ち着け、相手は気づいてないだろ?」

「まぁそうだけど・・・」

「大丈夫、あっちはきっと、あんずの名前を聞いても分からんよ」

「忘れてるってか?!」

「そうそう!」

 忘れてるなんて、またショック受けなきゃなのぉ~、泣いちゃうよ。

 あの最低女が私のことを忘れてるのであれば、絶好なわけで。

「三角関係、笑える」

「笑うな」

「はいはい、んじゃいざ教室~♪」

 この子、マジで面白がってるな。


 うぅっ・・・時生君、気づいてくれー!

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