第23話「自慢させて」

  ねえねえおかあさんっ。


「どうしたの、マルッテ?」


 おとうさんってどうして働かないの?


 みんなが言うの、わたしのおとうさんはろくでなしだって……



 ねえねえお母さん。


「何かあったの、マルッテ?」


 お父さんにも出来そうな仕事って何かないのかな?


 もう私、皆から馬鹿にされたくない……



 ねえ母さん?


「その荷物はどうしたの、マルッテ?」


 私もう限界……今からこの村を出るわ。


 すごい冒険者になってきっといつか私がお母さんを幸せにするから……





 ――


「おいっ、今度の依頼はこれ……ゴブリン退治だっ!」


 私が冒険者ギルドの食堂でご飯を食べていると、一緒にパーティーを組んでいる男の子「ルーク」が声をかけてきた。


 今食事中だって見て分かんないのかしら……ったく。


「んむんむ。ゴブリンってなあに?」


 無視しようと思ったけど一緒に食事をしていたユーリさんが依頼に興味を示してしまう。


 以前助けてもらったお礼にと、せっかく食事に誘ったのに……もう!


「よくぞ聞いてくれたっ!

 ……って、ユーリさん?

 ま、まあいっか。

 ゴブリンとはそうだな……えっと……て、敵だ!」


「ゴブリンとは人型の魔物のことだ。

 大した力はないが好戦的な性質を持っていて、獣だけでなく人も襲う。

 群れていなければ簡単に倒せるが、隠れるのが上手いから油断すると非常に危険だ」


「んむんむ。

 そうなの……とっても怖いわ……んむんむ」


 ユーリさん、そんな奴らほっといて私との食事に集中してください!


 せっかく気合を入れて髪型も整えて来たのに……ルークのやつ、覚えてなさいよ。


「だろっ!?

 さすがユーリさんだ。

 冒険者のくせにゴブリンをバカにするやつの気が知れねえぜ、魔物相手に弱いも強いもねえ。

 人は転んで頭をぶつけただけで死ぬこともあるんだ。

 どんな魔物でも命がけで戦わないと簡単に死んじまう!」


 でも、ゴブリンって雑魚じゃない。


「マルッテ、お前この間のこと忘れたのか?

 ユーリがいなかったら今頃はどこかの家の借金奴隷か、そのままあの世行きだったんだぞ?」


 わかってるわよ、ジル。


 だからこうしてお礼してるんじゃない!


 ユーリさんってすごいわよね……


 回復魔法のことはよく覚えてないけど、起きたときのあの迫力ったら……むふふ。


「迫力……?

 ユーリさんより俺の方が強いぞ?」


 はぁ?


 誰がそんな話して…………じゃあ、賭ける?


 わたしとユーリさん、ルークとジルでそれぞれパーティーを組んでどっちがゴブリンを多く狩れるかって……


「戦力を分散させるのは非効率だ。

 ルークも言っていたが油断すると命を落としかねない」


「大丈夫だってジル。

 マルッテだってあれから頑張って特訓したんだ。

 それに、ユーリさんに安全地帯にいてもらってその近くで狩る作戦だろ?」


 その通りよ! じゃあ、始めるわね?


 よーい、どん!


「よっしゃ行くぜっ!!!」


「仕方ないな」


 やった、上手くいった!


 ゴブリンなんてもうこりごり、行くわけないでしょ?


 さっ、ユーリさん一緒に食事の続きを……


「私も急がなきゃっ!」


 ゆ、ユーリさん!?


 ちょっと待って、私本当に行くつもりじゃなかったの!!!





 ――


 結局こうなるのね。


 ていうか、まさか依頼がこの村から来てただなんて……


「さっ、ゴブリン倒しましょう!」


 なんでこんなにやる気なの?


 そういえばユーリさんって、すぐやめたって聞いたけど元冒険者なのよね。


 もしかしたら強いのかしら?


「マルッテ、あれはなあに?」


 え……ああ、あれはスライムです!


 とっても柔らかいから依頼で見かけたら一回は触りたくなるんですよね。


 なんていうかネコッタの肉球みたいで……って、ユーリさん?


「あの、なんか沢山きて……くっついてくるの」


 こんなにたくさんのスライム一体どこから……って、離れなさいよ!!


 まったく、私ですらまだ触ったことないっていうのに。


「別にこのままでも大丈夫よ?

 それより、あの女の人こっちを見てるけど何か用かしら」


 女の人?


 そんなの一体どこに……げ。


「マルッテ、あなた帰って来たのね!」


 母さん……べ、別に関係ないでしょう?


 依頼が終わったらすぐに帰るから!


「お家に帰りたいの?

 ならすぐに帰りましょう!」


 いえ、帰るっていうのは家にって意味じゃなくて、私が暮らしてる町にって意味なんだけど!?


「スライムなあなたも一緒にどう?

 ちょうどケーキが焼けたところなの!」


「ケーキ!

 あのね、この絵本の……これのこと?」


 ちょっと待ってってば!


 ていうかユーリさん、スライムくっつけたまま村に入ったらダメですよっ!!





 ――


 よしっ! これで5匹目だ。


 マルッテはともかくユーリさんもいるんだ。


 せめて10匹くらいは倒しておきたい。


 それにマルッテのやつ、この間町のアクセサリー屋で綺麗な首飾りを見ていた。


 あれくらいなら俺だって買えるから……ありがとうルーク、大好きよ!


 ……へへっ、なんてな。


「集中しろ。

 右から2番目の木の上に1匹隠れてる」


 おっと、まじか!?


 ……ほんとだ、あの手に持ってる手斧をこっちにぶつけるつもりだったのか。


 やっぱゴブリン相手でも命懸けだな。


 まあでもあれくらいなら――


「おい、ちゃんと前を見ろっ!!!」


 え……?


 あ、やべっ…………これ無理じゃね?


「ルーク!!!」


 どうやらここまでか。


 今までありがとな、ジル。


 マルッテのことはお前に任せたぞ?


 あーあ、でもどうせならスケルトンとか格好いい魔物に殺されたかった……


「ほぅ、お前さんなかなか趣味がいいな?」





 ――


「さぁ、どんどん食べてね。

 もっともっと作るから!」


「んむんむ……とってもおいしい……お腹が破裂しちゃそう……」


 か、母さんったらいったいどれだけ作るつもりなのよ。


 あとユーリさん、ケーキ丸々ひとつはさすがに食べすぎなんじゃ……



 あれから母さんに私の実家まで強制的に連れてこられた私たちは、依頼と仲間をほったらかしにして母さんお手製のケーキを食べていた。


 生クリームたっぷりのスポンジの上に村で取れた果物が乗ってるだけの「素朴」なケーキ。


 王都だったらチョコとかキャラメルとか飴細工とか……とにかく可愛くてお洒落な食べ物いっぱいで出来てるし、そっちの方が断然美味しいに決まってる!


 ……食べたことないけど。


 でもなんでだろう。


 いま目の前にあるこのケーキが、世界中のどんなケーキよりも「美味しい」って感じちゃう。


 なんか悔しいな。


「ここにいたのかマルッテ。

 俺たちは12匹倒したぞ!

 お前らは何匹……って、何でケーキ食ってんの?」


「俺たちの分はないのか?

 それと、ユーリの前にある皿の大きさ……まさかそれ全部食べたのか?」


 あっ、忘れてた!


 ルークとジルもこっちでケーキ食べてっ!


 早くしないとユーリさんのお腹が破裂しちゃうのっ!


「よしっ、任せろ!

 ……っていってもケーキもうなくね?

 あ、その食べかけいらないならくれよ!」


 は? あげるわけないでしょ?


 それにケーキならほら……きたわよ。


「あらあら、こんなにお客さんが来てくれるなんて久しぶりっ!

 もっともっと沢山作らなきゃっ!!!」


 か、母さん。まだつくる気なんだ……。


 まさか私の仕送り、全部ケーキの材料に使ってたりする?


「で、でけえ……」


「ふむ、見た限りこのケーキに使われている生クリームの量は5キロを超えている。

 これを残さず食べた場合、運がよかったら生きて帰れるはずだ」


 それって運がよくなかったら死ぬってことなんじゃ……


 っじゃなくて、ユーリさんもう食べちゃダメですよ? あれ、いない……


「あなた、かくれんぼ好きなの?」


「まあな。

 お嬢さんも一緒にするか?」


「まあ素敵!」


 お、お父さん…………さっ、皆どんどん食べましょっ!


 私が切り分けてあげるわ……はい、どーぞ!


「さんきゅ!」


「ルークより俺の方が小さい」


 そう? じゃあ私もう食べないからこれどーぞ。


「あ、お帰りなさいあなた!

 マルッテがお友達を連れて帰って来てくれたの!」


 別に、帰ってきたくて来たわけじゃ……あと、ルークは自分の分を食べて。


「そうか。

 ゆっくりしていくといい」


 何よ偉そうに……


 ユーリさん、そんなのほっといて「ジルとルークのお腹にいったいどれだけの生クリームを詰められるか」競争しましょ!


「いたいのいたいのとんでけー!」


 え、突然どうしたんですか?


「んー、たぶん回復魔法だな。

 お前ん時もあれしてたし」


「俺は初めて見る」


 回復魔法、あれが……でもどうして?


「これは……

 ユーリといったか、マルッテとはどんな関係だ?」


 ちょっと、いきなりユーリさんに何するのよ!


 その手を離して……いたっ、私の腕まで……!?


「マルッテこっちにこい!

 ユーリ、俺たちについてきてくれ」


「かくれんぼはしないの?」


「……あとでな」




 もう離してってばっ!


 何なのよいきなりこんな所に……ひっ!


「この森に生息するごく一般的なゴブリンだ。

 訓練用に捕まえていたものだが……こいつを今からお前がいる方に逃がす」


 ど、どうしてそんなことっ!


 それに訓練って何のこと……っ!


「そら行ったぞ!」


 な、舐めないでよね。


 たかがゴブリン一匹くらいよゆ……余裕で……倒せっ……たおせる……きゃあ!!!


「思ったとおりだ」


 え、いつの間にこっちに来たの?


 というかその手に持ってるゴブリン……もしかしてお父さんが倒した……の?


「マルッテ、今すぐ冒険者をやめるんだ」





 ――


「どうしてあなたがこの村を守ってるってマルッテに言わないの?」


 別にわざわざいう程の事でもないだろう。


 幼い娘と愛しい妻が暮らす村だ、少しでも安全にしておかないとな。



「お帰りなさいあなた……そ、そのケガどうしたの!?」


 なあに、少しどじっただけだ。


 ほっといてもすぐ治る。



「どうしてまた怪我が増えてるの?」


 木の実を取ろうとしたらまた……ドジってな。


 なあにすぐに……ぐぅあぁぁ!!



「……あなたの腕のことについて、巡礼に来た神官様に相談したの。

 神官様が言うにはあなたはゴブリンに呪われたみたい。

 もう治らないだろうってお付きの救護院の方も……」


 別に問題ない。


 冒険者時代の蓄えはまだまだ残ってる。


 家族二人を養うには充分だ。


 村のやつらに稽古を付けてやるくらいのことはできるしな。


 ただ、俺の腕のことはマルッテが大きくなっても言うなよ。


 見た目には普通と変わらないし、あいつを怖がらせたくないんだ。


 それに、大きくなった後、陰で村を守ってるって知ったら……ふふっ、楽しみだな。



 え、マルッテが村を出て行った!?


 一体どうしてそんなことに……


「全部あなたのせいでしょ!?

 あなたが恰好つける為に、あの子が今までどんな気持ちで……!!!」


 そんな、まさか村長の息子がマルッテにそんな酷いことを言ってたなんて……


「その子に謝りに来てもらって!

 そしてすぐにマルッテを連れ戻さないとっ……あのこ今まで狩りにだって一人で行ったことないのに、このまま外の世界に出たらどんな目に合うか……!!」


 それは無理だ。


 村長の息子……「ロナウド」は、親せきの家に預けられることになったらしい。


 村長である父親のことを持ち出して、村の若い女に手当たり次第に手を出したらしくてな……村からの追放処分を受けたらしい。


「そんなっ……ならマルッテは……」


 いや、マルッテは大丈夫だ。


 それに、あいつは冒険者になって帰ってくるって言ったんだろ?


 俺がギルドマスターに話を通しておく。


 魔物の討伐系の依頼は受けさせるなってな。


 それよりあいつが帰ってくるまで村を守る方が大切だ。


 俺はここを離れられない……が、お前は好きにしていいぞ。


 冒険者になるならギルドへ行くはずだ、近くのギルドに行けばおそらくマルッテの行方を探れるだろう。


「あなた……いいえ、私もここに残るわ。

 あの子ね、ずいぶん前からケーキを食べても笑わなくなったの。

 昔はあんなに大好きだったのに……

 私、あのこが外で食べて来るどんなケーキより美味しいものを作るわ。

 いつかあの子が帰ってきた時、絶対に笑顔にさせてみせる!」


 ……そうか。


 なら俺は、お前とあいつの居場所を守る。村だけでなく、村の周囲も俺一人でも守り切って見せる。


 実は私のお父さんすごかったんだ……って、笑顔になってもらう為にな。


「じゃあ、どっちが先にあの子を笑顔にするか競争ね?」


 ああ、競争だ。





――


 ……そういえば、あいつはいったいどんな風に笑うんだったかな。


 最後に笑ってくれたのはいつだったか。


「なっ、なに今の動きっ!

 お父さんすごいっ!!」


 別にこれくらい大したことはない。お前もそのうち――


 ……ああ、そうだった。


 昔はいつもこんな顔で……笑っ、て……


「本当ね!

 くるって回ってしゅぱんっ!

 しゅっ、しゅっ」


「あはは、それお父さんの真似ですか?」


 マルッテが……笑ってる……俺の前で……


「あっ、ゴブリンさんを治してあげないと!」


「だっ、ダメですよ治しちゃ!?」

 

 ゴブリンまで治すのか?


 ならまた俺の技を見せてやろう……


「何を満足そうにしてるんですか?

 言っておきますが、あの子の笑顔を取り戻したのは私のケーキですからね!」


 ふふっ、何を言うかと思えば。


 お前もわかってるんだろう?


 あの子があんな風に笑えるようになったのはおそらく「あいつ」のおかげだ。





 ――


 依頼を終えてから数日が経った。


 今日こそユーリさんと二人きりで食事しようと思っていたのに、何か話があるとかで「ルーク」に呼び出された。


 せっかく今回の依頼でお金が貯まったから前から狙っていた「首飾り」を買おうと思ってたのに、もう売り切れてたし……最低な日ね。


 ほらルーク、来てあげたわよ?


 さっさと大事なお話とやらを…………あ、それって。


「マルッテ、来てくれてありがとな。

 話の前に……ほら、これをお前にやるよ」


 え、どうしてこれをルークが持ってるのっ!?


「お前、最近よくこの首飾りすげえ欲しそうに見てたからな。

 だからやるよ……たっ、たまにはこういうのもいいだろ?」


 嬉しい……ルークって「あれ」から仲間のことをしっかり見てくれるわよね。


 そういうところ……結構好きよ?


「そ、それって……

 実は俺もお前のことが、初めて出会ったときからずっと――」


「あら、それなあに?」


 あっ、ユーリさんっ!


 見てくださいっ、これですっ!


 私がユーリさんにプレゼントするって約束してたやつ!


「まぁ素敵……貝殻のネックレスね?

 前に絵本で見た人魚さんたちが、皆こういうのつけてたわ……とってもうれしい!」


 やったぁ!


 それでですねっ、このあと夜景がキレイで美味しい料理を出してくれるお店を「たまたま」見つけたのでよかったら……


「お、おいっ!

 それ俺が買ったやつ……」


 え、私がもらったものを私がどうしようと私の勝手でしょ?


 あと、私もう冒険者やめることにしたから。


 お父さんも元気になったし、私が知らなかっただけでそもそもウチって結構お金あるらしいし。


 話を聞いたら、お父さんが仕事できなくなったのも「特殊個体」とはいえゴブリンのせいだったみたいだし。


 ゴブリンはもう、うんざり。


 一生ゴブリンなんかと遭わなくてすむ別の仕事を探すわ。


 お嫁さんとかいいかも……ぽ。


「そうか、応援するぞ」


 ん、ジルも来たんだ。


 今から二人で遊びにでも行くの?


 あんまり、いかがわしい遊びはしないようにしなさいね……あ、ユーリさんっ! 


「お、おいマルッテ。

 まだ話は終わってねえぞっ!?」


「もう諦めろルーク。

 元はと言えば「お前の注意不足」で「マルッテがゴブリンに襲われた」ことが原因だ。


「い、いたのかジル。

 それよりどういう意味だ?

 確かにあの事は今でも悪かったと思ってるけど……」


「マルッテがどうしてあんなにユーリに好意を寄せてるのかはわからないが、二人が出会った「きっかけ」をつくったのは間違いなくお前だ。

 ユーリのおかげで奴隷落ちを免れた上に、後遺症どころか傷跡さえ残さず綺麗に治してもらったんだ……惚れる気持ちもわからんではないだろ?」


 それでですねっ! 今日新しく下着を買ったんですけど、よかったらユーリさんに見てほしいなって……きゃ!


「だ、だけどあいつらは女同士だろ!?」


「それがどうかしたのか?

 マルッテが冒険者を辞める理由も「ゴブリン」に対して恐怖心を抱いたからだと言うのなら……やはりすべての原因を作ったのはお前自身だ」


 あとあと、冒険者やめちゃったので今日泊るところがなくなっちゃって……ちらっ。


「そうなの?

 うーん……それなら私のお部屋に来る?」


 い、いいんですかっ!? 


 まさかユーリさんの方からお部屋に誘ってもらえるなんて……♡


「ま、待てよっ!?

 お前さっき俺のこと好きって……!!」


 はんっ、ばっかじゃないの?


 私はあんたのせいで死ぬとこだったのよ。


 本気であんたなんか好きなわけないでしょ?


 だいたい私は昔から女の子の方が好きなの……もういい?


 私はもうあんたと何の関係もないんだから放っておいて!!!


「なるほど。

 これでマルッテがお前ではなくユーリを好きになった理由がわかったな。

 単純にお前より……「魅力的」なんだ」


「はは、嘘だろ。

 さっきの首飾りには俺の今までの稼ぎをほぼ全部つぎ込んだんだぞ?

 親にも今度帰る時は彼女と一緒だって手紙に書いてもう送っちまったのに……

 なのに……なのにこんなの、こんなのって…… 

 こんなのってあるかよぉぉぉおおおおおお!!!!」


 え、それ何の話ですか…………あはは、それ本当ですか?


 もちろん私はユーリさんの話なら全部信じますけど……そんなことが!?


 くすくす、ユーリさんってお話まで上手なんですね?





 ――


 ただいまー!


 あ、お父さんも家にいたのね。


 また怪我してるじゃない、あとでユーリさんにみてもらってね。


 え、家に帰ってきた理由?


 うーん、なんて言うか……コウノトリさんが遊びに来ちゃったみたい?


 ちょっとお父さんっ!?


 ユーリさんに何かしたら許さないからねっ!


 ていうか、私だと皆を止められないから絶対に手を出しちゃダメよ?


 あ、お母さんもお父さんを止めて……って、そのお腹っ!


 ……ふーん。


 まあ、今のお父さんなら別にいいんじゃない?


 それに、ユーリさんの妹になれるだなんて最高に自慢できるわよ!


 まあ、お嫁さんの私ほどじゃあないけどね?





 ―――――――――――――――――――――――――

 ※マルッテとルークとジルの3人が、初めてユーリと出会ったのは、第10話「回復スキル使えます」になります。

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