勇者

「またな」って笑う声に

いつもの元気さは無くて

大丈夫か、と思う僕を嘲笑うかのように

君は終電のホームに消えてった


君はいつもそうだった

元気じゃない時こそ乾いた笑みを浮かべて

「こっちはなんとかやってるよ」なんて

そういつも僕になんでもない様に言うんだ


でも大丈夫なわけないよ

君のその痩せこけた頬に

薄ら残る無数の涙の跡は

君の孤独な戦いの最中を物語っていた


あいつは元気にしてるかなんて

僕に聞かないでくれ

僕が今出来ることなんて

あいつの勇姿を語り継ぐだけなんだから

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