第188話 師団編成

突撃を開始する第5師団の編成は、4個歩兵連隊(第11、第21、第41、第42連隊)を主力として、師団本部、通信隊、衛生隊、佐伯挺進隊、野砲隊などの部隊で編成され、総兵力約1万5千名である。


1個歩兵連隊は連隊長を大佐が務め、3個大隊編成で約3000名。


1個大隊は大隊長を少佐が務め、兵数は約1000名。

内訳は歩兵3個中隊約600名。

機関銃中隊約120名(3個小隊6個分隊)(九二式重機関銃計6丁配備)。

歩兵砲小隊約55名(3個分隊)(九二式歩兵砲6門配備)。

その他本部要員等で編成される。


1個中隊は中隊長を大尉が務め、4個小隊編成で兵数約200名。


1個小隊は小隊長を中尉又は少尉が務め、兵数は約50名。

内訳は軽機関銃分隊3個、擲弾筒分隊1個である。


1個分隊は分隊長を軍曹又は伍長が務め、兵数は12名。

内訳は、軽機関銃分隊は、各隊員は三八式歩兵銃を装備し、十一年式軽機関銃を1丁装備している。

擲弾筒分隊は、八九式重擲弾筒を3筒装備しており、三人一組で運用する。

 

以上が部隊編成である。

要約すると、1個大隊は約1000人であり、重火器は、九二式重機関銃が6丁と九二式歩兵砲が6門。軽火器は、十一年式軽機関銃36丁と八九式重擲弾筒36筒を分散配備してあり、基本兵装は三八式歩兵銃である。


歩兵の兵装は、一人当たりの弾薬(口径6.5ミリ三八式実包)携行数は120発で、他に九七式手榴弾を2個、三十年式銃剣を携行している。


そして日本軍最大の特徴は、最小の部隊単位である分隊長以下の1個分隊12名の結束の強さ、そして4個分隊が集まった小隊の結束の強さにある。


想像してほしい。若く体力のある日本人男性が12名集まった時の団結力を。

そして更に、50名集まった時の組織力の強さを。

日本人には、その団結力は当然に感じるかも知れないが、それは他民族には到底真似の出来ない領域であり、まさに個が、団となるのだ。


一方で練度、士気の低い軍は、個が、群となるにとどまる。


両者の差は歴然であり、日本軍は、その団結力をもって、圧倒的な攻撃力を発揮するのである。


しかしあえて付け加えると、問題点もある。階級制度に縛られ、下士官等下位の者が意見を言うことは、圧倒的弾圧的空気感によって禁じられているのだ。


考えるのは士官の範疇であり、指揮官、上官の決定を愚直に遂行するのが日本軍兵士の美徳であり、生き様とされているのだ。


どのような理不尽も、宿命であり、男の修行として受け入れることが日本男児が定めた、日本男児のルールであり、柔軟性に欠けるのは明らかな弱点といえるが、それを超える強い団結力こそ、大日本帝国軍の力の源なのである。


そして、松井太久郎師団長の攻撃命令を受け、戦場には次々と攻撃開始を告げるラッパが鳴り響く!!

いよいよ第5師団の攻撃が始まる!!!!









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