第133話 再びラグーン
「それで、これからどうするっちゃ?」
ノアと新海はヨコハマラグーンのテーブルを挟んで話しをしている。
「うーん、とりあえずここを拠点にして、一度外の様子が見たいな、この付近はどうなってるかな、アメリカ軍とかいるかい?」
「ここら辺は住んでいる人は少ないし、軍も居ないわ、海沿いに道路とオアフ鉄道が通っていて、ホノルルから北のカフクというところまで列車が走るっちゃよ。」
「へぇ、海沿いの列車かあ、いいね。」
「えぇ、私もホノルルに行くときは乗るっちゃよ。普段はサトウキビをたくさん積んでいるの。サトウキビ列車ね。」
ノアはにこりと笑う。
「甘くて美味しそうな電車だね。サトウキビとか、贅沢品であまり食べたことはないよ」
「ハワイはサトウキビの大規模栽培か盛んなの。それをアメリカ本土に送って利益を得ているっちゃよ。」
「そうみたいだね。サトウキビがハワイの人々の生活を支えているんだね。」
「そうね・・・お祖母ちゃんは、「昔はちゃんと自分達で生活していたんだ、サトウキビなんて必要ない!」って言ってるけどね。」
「なるほどね、サトウキビがアメリカに売れたからどんどん増えて豊かになった。でもアメリカが買ってくれないと生活できなくなって、いつの間にかアメリカに支配されてしまったということなんだね。」
「・・・私には解らないっちゃ。今の生活に不満はないの、でも、昔を知ってるお祖母ちゃんは、ハワイ王国をとても愛しているのよ。」
「そうか、我々の目的はハワイ王国の復興だよ。お祖母ちゃんの願いが叶うといいね。」
「そうっちゃね・・・・」
鈍鈍鈍!!鈍鈍鈍!鈍鈍鈍鈍鈍!!
突然ヨコハマラグーン内に重低音が響いてくる!
「なんだっちゃ?!」
「これは、アメリカ軍艦の対空砲の音だ!音が響いて聞こえる!」
「どういうことになってるの?」
新海はコーヒーを一気に飲み、立ち上がって答える!
「決まってる!アメリカの残存艦隊が北上してきたんだ!うちの偵察機に発砲しているんだよ!すると、もうすぐ戦艦同士の海戦が始まるぞ!」
「ノア!」
「は、はい!」
「一緒に行こう!戦艦同士の海戦なんて、二度と見れないぞ!」
「えっ!怖いよ。」
「大丈夫!俺が付いてる!海が遠くまで見える場所は?」
「ここから出てすぐの山を登れば見えると思うわ。」
「よし!40秒で支度して!」
「はっはいっ!」
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