第128話 上陸
ここはワイアレエ海岸、オアフ島北端やや西側にあり、横幅が長く平坦な砂浜が続く。
普段は人影もまばらで、産卵のため上陸する海亀が最大の顧客という大自然ビーチだ。
今、このビーチは殺気までの穏やかな雰囲気から一転し、海は煮えたぎるように泡立ち、空は爆炎で赤黒く染め上がっている。
殺気を帯びた大日本帝国の海亀は戦艦大和以下の超強力な支援を受け、残り1キロを突き進む!
こんな武骨な海亀の産卵はオアフ島の歴史でも、太平洋の歴史でも初めてのことだ。
上陸用舟艇は100メートルを24秒で走る!
伝令が叫ぶ!
「あと五百メートル!」
小隊長が叫ぶ!
「突撃準備!」
全員が装備を確認すると、分隊1番員から順に「ヨシ!」2番員「ヨシ!」3番員「ヨシ!」「ヨシ!」
と準備完了を右腕を突き上げて合図する!
「準備ヨーシ!!」
「四百ゥ!」
「三百ゥ!」
小隊長は70名全員を見る!何人かビビってる奴もいるが、皆良い表情だ!
「二百ゥゥ!」
「百ゥゥゥ!!!あと20秒です!!」
すらぁ!!
小隊長は、満を持して腰の軍刀を抜き、天高く掲げる!!
軍刀はたちまち周囲の光を集め、キラキラと美しい輝きを放つ!!
図砂砂砂ァ!
一番槍の大発が海岸の砂を力ずくで掻き分け停止!
「着岸ァン!!ランプ下げます!!」
ガウンン!ザバッ!
船首部分の鉄板が下方に一気に開いて着岸する!
小隊長が掲げた軍刀を前方に突き出す!
「全員!!突撃ィ!!!」
「突撃!」「突撃!」「突撃!」
「突撃!」「突撃!ィ」「突撃!」
「突撃!」「オラー!」「突撃!」「突撃ィ!」「オラオラオラオラァ!!」
今か今かと構えていた兵達が一気に船首鉄板を踏み越えて突撃する!
打打打打打打打!!打打打打打打打!!打打打打打打打!!
一時的に沈黙していた敵が再び発砲を始める!
何人も撃たれる!だが怯まない!!
とどまれば死ぬ!死ぬならば進む!!
同時に着岸した各艇から次々と兵が突っ込んで行く!!
「突撃!」「突撃!」「突撃!」
「突撃!」「突撃!ィ」「突撃!」
「突撃!」「オラー!」「突撃!」「突撃ィ!」「オラオラオラオラァ!!」
突撃時の日本兵の士気は、信じられない程に高い!!
何故なら!死を恐れないからだ!
何故死を恐れないのか!!!日本兵だからだ!!!
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