第127話 艦砲射撃

日本軍の上陸用舟艇は大小2艇あり、「大発動艇」が定員70名又は積載量11トン。

「小発動艇」が定員30名又は積載量3トンの輸送能力を持ち、共に時速15キロメートルで走行できる。


乗り込むのは上陸作戦の訓練を積んだ陸軍2個師団3万名と海軍陸戦隊2個大隊2000名である。


上陸用舟艇は兵を満載すると次々に発進する。

幾筋もの白波を立てて海岸へ突き進むその上空を零戦隊が援護してくれている。


日本軍は世界でも屈指の上陸作戦経験国であり、お家芸といっても過言ではないのだ。


図鈍!鈍!鈍!

敵陣から散発的な発砲!!


鈍!鈍!鈍!弩鈍!弩鈍!賀吽!賀賀吽!

その敵陣に向け、艦隊は直ちに応射!!トーチカは凄まじい爆発に包まれたちまち沈黙する!


敵機も数機飛来したが、攻撃に移る間もなく零戦隊が撃墜した。


それでも徐々に激しくなる敵の火砲!速射砲!機関銃の乱撃!


アメリカ軍はじっと身を潜めていたのだ!


図鈍!鈍!鈍鈍!鈍!鈍!鈍鈍!鈍!打打打打打打打打打打!!

鈍!鈍!鈍!弩鈍!弩鈍!賀吽!賀賀吽!鈍!弩鈍!弩鈍!鈍鈍鈍鈍鈍鈍!!


場射場射場射場射場射場射場射!!


上陸用舟艇の周辺は敵弾によって、海の精霊が激しくタップダンスを乱舞しているように水面が跳ね回る!


爆ゥゥゥ!射ァ!


一隻、また一隻と上陸用舟艇が爆沈する!!


上陸用舟艇は時速15キロメートル!

海岸まであと1キロメートル!4分の距離だ!


頑頑頑頑頑頑頑頑頑頑頑頑頑頑!!

撃たれ続ける!!上陸用舟艇の中は兵が満載だ!皆直立しているほかはない!


隣の小発が爆沈した!皆死を覚悟した。そのとき!!


弩弩豪轟轟轟!!!!


鳴り響いた凄まじい轟音があらゆる発射音、爆発音を吹き飛ばした!


兵達の聴覚も一時的に失わせ静寂が訪れると、海岸の至る所から凄まじい爆発、爆炎が巨大な竜巻のように辺りを席捲する!!


兵達の顔に熱気が襲いたまらず腰を低くする。


やがて兵達に聴力が戻ると、敵の砲撃が完全に沈黙している事に気付くのであった。


これが、大日本帝国海軍戦艦群の艦砲射撃。

そして、そのなかでも最強を誇る戦艦大和の主砲。45口径46センチ三連装砲塔の、神の一撃であった。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る