第100話 攻城戦

アメリカ陸軍爆撃機編隊25機は高度3000メートルを機動部隊に向けて突き進む。


広大な翼を広げる陸上爆撃機という名の亜米利加城の巨大な姿に零戦隊は距離感に狂いが生ずる。


対して零戦隊の姿は一騎一騎は小さいが、その数は60機以上!

空中の占有率は零戦隊の方が上である。


零戦隊は先頭の指揮官機、B17を主目標に定め、満を持して暴風のように襲い掛かった!


爆撃機編隊の旋回機銃が狂ったように撃ち始める!


弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾!!


零戦隊は高速で擦れ違いながら必殺の斬り込み!


弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾弾!!鈍鈍鈍鈍鈍鈍鈍鈍鈍鈍鈍鈍鈍鈍鈍鈍!!


その一撃は薩摩示現流!!

無防備な操縦席を袈裟斬りにする!!


図場厘場厘場厘場厘場厘場厘!


B17フライングフォートレスは、最大の弱点である頭部を粉砕され、強化ガラスが綺羅綺羅と虹紫赤色に輝き散る!


零戦隊は新海小隊からの情報を得て、大型爆撃機の攻撃方法を共有し対策を練っており、その結果が主目標を操縦席とすることであった。


その効果は絶大で、指揮官機以下、たちまち5機の爆撃機が操縦席を粉砕され錐揉み状態となるほか、後続で距離感を誤り突っ込み過ぎた零戦1機が爆撃機と正面衝突し、凄まじい爆散を遂げることとなった。


馬脚!突馬場場漠漠漠ゥ!!


その瞬間、爆撃機の1000キロ爆弾が誘爆!凄まじい爆発となり、周囲の爆撃機の主翼を叩き折って2機が激しい錐揉み落下となる!

結果的に零戦1機で大型爆撃機3機を道連れにする凄まじい戦果となった。


更にこの空中大爆発により爆撃機編隊はたまらず回避行動をとることとなり、指揮官機と共に統制も失い、各機ごと単機で目標を決め、爆撃を敢行するしかなくなったのである。


爆撃隊からは遠方に日本軍空母機動部隊が見えるところまで来たが、水平爆撃地点まではまだ遠い。


彼らは背後に飛び去った敵戦闘機が悪魔にしか見えなかった。

そして、今頃駆け付けた味方戦闘機隊の不甲斐なさに怒りをぶつけるのであった。




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