第39話
我々6機の零戦は再び高度を上げて北進し、帰路につく。
もう燃料もギリギリ、20ミリ弾も無くなった。
帰投する空母機動部隊は、予定通りならばオアフ島北方約400キロ付近を南下中だ。
零戦の巡航速度は時速約250キロなので、1時間30分くらいで辿り着ける。
しかし、問題は航法だ。零戦は当然一人乗りなので、海上を飛ぶには自分で計算しなければならない。
しばらく海図と格闘しながら飛んでいると、前方に帰投中の九七式艦上攻撃機の編隊が見えてきた。
フゥーッ。思わずため息が出る。
良かった。間違っていなかった!
列機には自信満々の様子を見せていたが、広大な海上を燃料の少ない状態で飛ぶのは不安でしかたなかった。
このまま一緒に行きたいが、零戦の方が巡航速度が速いし、燃料も少ないので追い抜いて先に着艦させてもらうことにする。
お互いに敬礼して確認すると、針路はこのままで良いとのこと。
みんな大喜びで宴会でも始めているようだ。
名残惜しいが、艦攻隊を追い抜いて先に進む。
間もなく空母機動部隊が航跡とともに眼下に見えるはずだ!
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