第32話

ホイラー飛行場に近付くにつれて、状況がわかってきた。


飛行場上空を舞うのは第二次攻撃隊の零戦であり、地上に機銃掃射を行っている。

爆撃は終わった直後のようで、飛行場に隣接して建てられた格納庫は炎に包まれ、滑走路脇に駐機していたと思われる敵機は粉々に破壊され、炎上している状態であった。


私は目を凝らして敵機のおよその数を数えた。


情報では戦闘機P40を主力として数百機の敵機がいると聞いたが、あの残骸の数でも100機以上破壊している。

敵機は綺麗に並べられていたようで、飛び立つ間もなかったようだ。


格納庫は無事なものもあるが、機銃掃射はしているし、なにより滑走路を破壊しているから作戦中は離発着出来ないだろう。


私がホイラー飛行場攻撃結果を分析していると


弾弾弾!


短い7.7ミリの斉射!


二番機の斉射!


敵の合図だ!!


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る