第33話 空戦

私は条件反射でスロットルを開けて加速しながら右後方の二番機を振り返る!


何処だ!


二番機は指差す!

四時の方向!?


小さい輝き数個!居た!!


高度は同じ約5000メートル!まだ距離はある!


燃料はもつ!どうやる?


私はこの空域における敵味方の動きを頭に思い浮かべ、一瞬で作戦を決める!


向かってくる敵の右上方に位置し、すれ違ったら左急旋回して、かぶせて一気に獲る!


列機に合図を送る!


了解!了解!


我々2小隊の動きは同じだ。有利な位置を求めて高度をとる。


しだいに敵が見えてきた。


P40が6機!牙を剥いた空の獣が見えた!


敵はまだ我々に気付いていないのか?がむしゃらに飛行場に向かっている様子だ。

飛行場上空の零戦隊を攻撃するつもりらしい。


敵がようやくこちらに気付く!一機が機首をこちらに向けて加速すると、残りも慌ただしく追従してきた!


遅いよ!


数は同数だが、敵はバラけた。

我々が上方を位置し、地の利はとった。


お互い最大戦速で急速接近する!


私は興奮を抑えながら言う!


見せてもらおうか、アメリカの戦闘機の性能とやらを!



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