第31話

800キロ爆弾は戦艦の弾薬庫を直撃したらしく、途方もない誘爆によって生じた衝撃波は空間が歪むほどであった。


爆発が収まると、戦艦は黒煙だけを残し、歪んだ空間に吸い込まれてしまったようだった。


湾内はいたるところで800キロ爆弾の爆発が炎柱となる一方、命中しなかった爆弾は海面上で爆発して高らかな水柱と化し、海の神に捧げる炎と水のパルテノン神殿が完成された。


魚雷の爆発もすごかったが、800キロ爆弾も凄まじいな。あのなかにいて、生きていられるのが不思議だ。


戦艦2隻は撃沈確実だな。しかし味方機もかなりやられたんじゃないか。あの強烈な弾幕はなんだ。中華の弾幕とは比較にならない。強さが桁違いだ。


私達6機2小隊は真珠湾から離れてゆく。


オアフ島上空を横切って、帰りがけにオアフ島中央に位置するホイラー飛行場を偵察する空路だ。


真珠湾を離れると、オアフ島は平穏だ。森と川、田園が広がり、人々が穏やかな暮らしをしていることが伺えた。


しばらくすると、遠方に黒煙が立ち上り、上空にキラキラと光の反射が見えるようになる。

ホイラー飛行場上空だろう。味方機が攻撃を続けているようだ。


私は列機に手信号を送り、高度を上げて敵機に備えることとした。
















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