第22話

私は零戦を一気に急降下させる。


零戦は装甲が薄く、急降下に弱い。

具体的には、通常の最高速度は時速530キロくらい。

次に急降下での限界速度は、時速600キロを超えたあたりで翼が分解するおそれがあり、危険になる。


時速600キロは、一秒間に約150メートル進む。高度5000メートルから急降下すると、敵艦まで約30秒だ。


あらゆる対空砲が、私に照準を合わせるのを感じる。


敵艦に近づけば近づくほど、対空砲の命中率は上がる。


もし盾があれば、構えたい!


なるほど、これが急降下爆撃の気持ちか!


こりゃ死ぬぞ!


ウオオオオオオオオオ!


私は叫ぶ!


撃てェェ!


私は静かにたたずむ特殊潜航艇に向けて叫んだ!


その声が、思いが届いたのか!特殊潜航艇の前面から魚雷が発射された!


しかし!


!ザッバァァン!

次の瞬間、特殊潜航艇は反動で海面に姿を現してしまう!


アメリカ兵は特殊潜航艇に気付き、同時に魚雷の雷跡が加速接近してくるのを見て浮き足立つ!


私を狙う対空砲は、ほとんど脅威とならない戦闘機よりも、特殊潜航艇や、接近中の魚雷を撃ち落とそうと一斉に砲塔を反転させ始め、私を狙うのは2箇所くらいになってしまった。


今度は私が助けられた!このまま機銃掃射を加えて、潜航までの時間を少しでも稼ぐ!


私は操縦桿を握りしめ、敵艦の対空砲に向けて機銃を喰らわせるべく、一気に加速してゆく。


2000メートル!

1500メートル!

1000メートル!

まだ命中弾はない!

500メートル!


ウオオオオオオオ!!!


私は叫びながら7.7ミリと20ミリを発射した!

















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