第17話
我々は敵から見て、太陽のなかに入り込んで見えない位置となるよう角度を調整し、3機が一直線の縦隊となってダイブを開始した!
敵機は失った高度を上げようと、機首を上にして高度を上げ始めている。
空戦において、高度を上げる挙動は極めて危険だ。
全開で上昇しても、速度は降下時と比べ鈍重となり、その上空を敵機が占有していた場合、どうぞ撃ってくださいと自らの首を差し出すことになりかねない。
私ならば、降下の勢いのまま、高速で安全な空域まで移動し、その後改めて高度をとるだろう。
この敵機は操縦技術は高いが、周囲は安全だと思ったのか、戦闘経験が足らないせいか、不用意に高度を上げ始め、我々のことに全く気が付かないようだ。
私は怒っていた。撃墜された味方機のことを思い、そして不甲斐ない自分に対しても。
その怒りを殺気に変えて、照準器越しに敵機を捉える。
どす黒いオーラが暗闇の雲のように照準器から敵機に漂い、敵機に絡み付く。
逃がしはせんぞ!
急速に接近する!
そのとき、凄まじい殺気を浴びて、敵パイロットがこちらを向き、目を見開いた瞬間
シイッット!
叫びながら左旋回に移る!遅い!鈍重だ!
無駄無駄無駄ァ!
今度は無駄弾は撃たない。照準器には敵機が大きく写りこみ、もはや肉眼で十分な距離!敵の懐に入り込んだ!
私は必殺の20ミリ機関砲という刀を抜き、その刀身が迸る!
鈍鈍鈍鈍鈍!
列機も続く!鈍鈍鈍鈍鈍!鈍鈍鈍鈍鈍!
弩貫阿吽!
擦れ違いざま、敵機は爆散した!
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