第18話

敵機を撃墜した我々は、そのまま高速で駆け抜けつつ、周囲の索敵を行う。

燦然と輝く太陽にも敵影は見えず、ハワイの太陽神が我々に課した試練は終わったようだ。


私は二番機を振り返ると、頷いてきた。

以心伝心。何を言いたいのか、全て解ってるようだ。

我々は上昇し、高度をとって3機の零戦は再び配置についた。


我々の近くには、第一次攻撃隊をまとめる淵田隊長が座乗する九七式艦上攻撃機が見えた。


淵田隊長は中佐で、空での戦いを知り尽くした極めて貴重な幹部である。

そして、そんな貴重な人材がこの作戦に直接参加し、しかも率先して突撃し、攻撃を敢行したのだ。


私は隊長機が損傷していない姿を見て、本当に良かったと思った。


この真珠湾攻撃作戦は、我が国の、我が軍の並々ならぬ覚悟が表れているのだ。








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