第12話 敵機

感じる。嫌な気配。中華での空戦以来のこの感じ。久しぶりだ。


身震いする。


殺気だ。しかも強烈に、そのドス黒いオーラを感じる。


どこだ?


いた!太陽の中か!やりやがる!


一機か二機か!?


ハワイの太陽は眩しく、はっきり見えないし、太陽を直視してしまうとその後の空戦に支障がでる。


敵機は太陽の炎をその身に纏い、凄まじい殺気を放ち我々零戦隊に突っ込んできている。


高度、速度、共に敵機に利がある。どうする?旋回してかわすか?


そんな訳ない!ここで旋回するような奴はこの攻撃隊に参加してない。


撃ち合いだ!簡単だ!


私は列機をみると、列機は既に加速全開、フルスロットルを決めたところであった。


お前列機だろうが!


私は三番機に合図し、フルスロットルで敵機に突撃する!


三番機はちゃんと解ってる。私に追従加速し、三機がひとかたまりになって太陽に牙を剥いた!




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