序章

今は真夏。窓を見ると外ではサラリーマンたちがハンカチで汗を拭いながら歩いている。

今から外へ行かなければならない私は、出そうになる溜息を飲み込み、玄関のドアを開けた。


出た瞬間に感じるじっとりとした暑さに、思わず顔を顰めた。

「夏なんて滅びてしまえばいいのに。」

そう一人呟いて、私は学校への道のりを歩く。


その時、一匹の黒猫が私の横を通り過ぎた。

目の前は赤信号の状態の横断歩道。

「あっ」

思った時には体が動いていた。


目の前には車が迫ってきている。

もう駄目だ、そう思い目を閉じた

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