第7話

それから数日…


起きると目の前には薫さんの整ったお顔が。

嗚呼、人間だったら顔真っ赤にして照れてたんだろうけど…私今猫だしなぁ


なんて毎日を今は過ごしています。最初は驚き威嚇した寝起き時間も今では慣れっこ

だけど私は飼い主の事を忘れたわけではない。

元の家に帰れなくても、取り敢えず生きてるという証だけでも、姿だけでも見せられれば!

と、毎日お外行きたい運動を私は行っています。


薫さんの前で窓の外を長時間眺めたり

窓を軽く引っ掻きながらお外行きたいと鳴いてみたり

その度に薫さんは悲しそうな表情をするけれど、私は諦めません!


そして今日もお外行きたい運動開始。

窓をてしてしと叩きながら「みゃあ」と鳴く


しかし、今日の薫さんはとてもご機嫌そうに笑っている

あれ、もしかして外に「じゃーん!」え?


薫さんが取り出したのは猫用のお散歩リードだった


脳内に人間姿の私がリードに繋がれている所が一瞬浮かんで、薫さんにドン引く

しかし薫さんの「猫ちゃん、今日はお外行けるからねぇ」という言葉で思い出す


私、今猫でした

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る