第6話 創作者と名誉

鬼滅の名は驚くべき速力を持って旬日を出ない内に日本全国に広がった。

萌え、なろう系、日常系などの非子供向け作品の氾濫に対し、一家団欒のモダンな安心を与えた。

漫画アニメ界のためにも賀すべき事で、作者のためにも喜ばしき事に違いない。

けれども鬼滅より前に子供に向けて作った、面白い壮絶な作品が有った事を知る者は居なかったのだろうか?


オタク共は知っている。

海のトリトンの結末、ザンボット3、イデオンの壮絶さ、作者が子供向けに作った作品から我々が学んだ事を。∀、キングゲイナー、ブレンパワード、ザブングルは子供向けではないのか?


鬼滅のみを取り上げるは不都合である。

父無き母子家庭と言えどガンダムを見れば男子足り得る、ベルセルクを見れば勇気も出る。ゴールデンカムイでも一昔前の日本は知れる。寄生獣でも哲学は学べる。草枕、こころ、趣味の遺伝、坊っちゃんでも世間は知れる。

これらの作者が居る限り親はなくとも子は育つ。


何故作者訃報の際まで世に取り上げぬのか。

富野監督は高齢である。

余は有らん限りの孝行をせぬマスメディアや世間を恨む。


世間一般が鬼滅を称賛するが、オタクを自負するならば既視感がある筈である。

金儲けのために流行りに乗り、一作品のみを称賛し、他作品を紹介、称賛しないのは漫画アニメ界に対する屈辱である。

オタクは反逆すべきである。

もっともこの屈辱は創作者の糧となる事もある。

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